なぜ私だけが!会社・職場・家でも怒られるの?|妹も後輩も嫌い?
Y子さん29歳は、入社5年目の中堅事務職です。
その、Y子さん、最近、落ち込みが激しいようです。
理由は何でしょうか?
Y子さんの話
Index
1.子供時より母に妹のことで怒られつづけた
2.次女であった母は長女のY子さんに過剰な警戒感を持つ
3.職場でよく怒られる問題について
4.同性の後輩嫌いの問題の解決に向けて
1.子供時より母に妹のことで怒られつづけた
「悪いことはしていないのに家では子供時から母に怒られ続け、なぜか会社でも私だけ怒られるのです」。
Y子さんは、会社勤めの父と母、そして、妹の4人暮らしで育ってきました。
Y子さんの家庭での不満は、子供の頃から、母によく怒られていた。
特に妹に関することで怒られていたそうです。
それは、長女特有の、「お姉さんだからしっかりしなさい」等の、長女しっかり論、長女責任論の問題ではなく、「妹をいじめたのではないか」という、母の疑心暗鬼より、妹をいじめた根拠もないのに、母の推論より、怒られていたそうです。
例えば、妹が家いでしょんぼりしている、その妹の姿を見た母は、Y子さんが妹をいじめたのではないか?
と勘繰り、Y子さんを責め立てるように詰問をする。
たまに、妹からのちょっかいでY子さんが、妹を叩くと、妹は大泣きして、その泣き声を聞きつけた母に、Y子さんは理由も聞かれることなく怒られる。
Y子さんからすると、「母は妹が可愛く、自分は不公平に立場に置かれ、自分は可愛くない存在なのだろう」と思わざるを得ないとのことです。
確かに、Y子さんと母、妹の三角関係を聞いていると、母は妹想いであり、Y子さんに対しては、少し、冷たい視線、妹の敵であり、お母さんは妹を守る立場であったようです。
でも、Y子さん自身、子供の頃、妹をいじめようとか、意地悪な気持ちは全くなく、たまに喧嘩をして、泣かしてしまったこともあるけれど、よくある姉妹喧嘩と認識しています。
私もY子さんの、子供時の妹さんとの関係を聞くと、Y子さんの話している内容に真実味を感じます。
では、問題は、なぜ、Y子さんのお母さんは、妹びいきの如く振る舞い、何かあると、Y子さんを疑い、責め、時には激しく怒ったのでしょうか?
2.次女であった母は長女のY子さんに過剰な警戒感を持つ
Y子さんに、なぜ、お母さんが、妹の肩を持つのだろうか?
心当たりはあるのか尋ねてみました。
Y子さんは、
「昔、母が言っていたことが印象に残っています。母は母の家庭内において次女であり、長女によく、からかわれていたそうです。長女は成績もよく、抜け目がないタイプで、次女である母を、馬鹿にしたような振る舞いが多々あったそうです」。
Y子さんの話しから、子供時のお母さんの心を推理すると
お姉さんに対して、抜け目なく自分を誰もいないところで馬鹿にする、気の許せない、意地悪な姉と、思い嫌っていたのではないでしょうか?
そうすると、彼女が母親になり、娘を2人出産。
2児の母となり、その時、昔のこと、自分の子供時のことを思い出し
「次女にとって、長女は警戒すべき存在」と、母自身の人生経験から、この信念を抱き、Y子さんより、妹に注意が向き。
家庭内で、妹に何か異変があると、Y子さんが妹に対して何かしたのではと、母自身が姉から受けた様々な行為、その結果の心の傷が動き、母の姉に対する敵意が、長女であるY子さんに向かったのかもしれません。
次女であるお母さんは、姉である長女という存在に対して、「長女には気をつけろと、妹に対して害ある存在である」と、長女という存在に過剰反応しているのかもしれません。
これは、お母さんの自身の問題なのですが・・・。
Y子さんは、お母さんの人生の経験から、お母さん自身が生んだ子にも関らず、長女ということで、妹をいじめる存在と警戒していたのでしょう。
そして、妹の姉に抱く気持ちは、長女にいじめられた母自身がよく分かると、常にY子さんの妹に対しては、同一化の心理を持っていたのかもしれません。
これも、お母さんの勝手な思い込みなのですが・・・。
これが、Y子さんと弟の関係であれば、お母さんも、Y子さんに対して、過剰な警官感を持たず、弟の面倒をよくみる姉、自分の姉とは大違いと認識していたかもしれませんね。
3.職場でよく怒られる問題について
さて、Y子さんの、子供時、母から常に見張られたような感じ抱き、妹さんのことで、よく怒られていたことは分かりました。
では、職場でも多よく怒られるとは、どのような内容なのでしょうか?
Y子さんの職場での話しです。
「2年前から、多々、怒られるようになりました。
それまでは、問題なく勤務していました。
実は2年前に私は、主任に昇格したのです」。
主任になると、給与は上がるのですが、後輩を人を指導する業務が増えます。
もちろん、後輩は年下であり、同性です。
しかし、この部下指導に対して、女性上司から、常に怒られる、小言を言われ続けているのです。
怒られる具体的な理由は、
「指導に熱意と丁寧さがない、そして、フォローも少ない、Y子さんの後輩の職務に対する成長は、課の期待目標を下回っている」。
常に上司と面談しては、このことを言われます。
Y子さんの後輩に対する想いです。
「実は私、年下の女性が苦手なのです。ちょうど妹のような年齢の子達です。どうしても、妹と母の関係を思い出し、後輩を可愛いとは思えず、親切に面倒を見ようという気持ちになれないのです。この気持ちが後輩指導という業務にも現れ、上司より多々、注意されているのだと思います」。
Y子さんは、しっかりと自分の年下の女性に対する気持ちと、業務指導の関係性を理解されておられるのですね。
おそらく、妹さんに対するお気持ち(お母さんが植え付けてしまった問題なのですが)が、指導すべき後輩と重なっているのでしょう。
Y子さん自身、妹さんに対して良い気持ちを持っておらず、その気持ちが、同性の後輩に転移してしまったのでしょうね。
そして、Y子さんは、さらに続けてお話しをされました。
「なんか、後輩2人と、女性上司はLINEでもして、私の悪口を言っているのではないかな?被害妄想とは思っているのですが」。
なるほどね。
後輩2人と女性上司の連合。
これは、まるで、子供時Y子さんが経験された、Y子さんの妹とお母さんとの関係が、そのまま、後輩2人と女性上司との関係にすり替わった感ですね。
どうしても、私たちは子供時、過去の人間関係をベースに今を判断、感じて生きるようになっています。
まずは、過去の親子関係と、職場の人間関係の違いを明確に、心に教えてあげる必要があるでしょう。
同性の後輩嫌いの問題の解決に向けて
上述しましたが、私たちは、子供時、過去の人間関係をベースに今を感じ、無意識的に判断して生きるようになっています。
子供時の人間関係の経験は、良くも悪くも、成長後の人間関係のモデルとなってしまうことが多々あるのです。
Y子さんの、子供時の母親と妹さんとの体験は、Y子さんの上司と後輩との関係に重なっています。
まず、この重なりは、別物であることをY子さんには理解してもらう必要があります。
では、具体的にどうするのか?
A.現実を知ること
Y子さんの後輩に対する想い、感覚は、妹さんに対する感覚と同一化していますが、後輩と妹さんは、全くの別であるという、この現実をしっかりと理解、得心することです。
その為には、後輩を避けるのではなく、自分からしっかりとコミュニケーションを取り、後輩の人物像を理解すること。
これにより、妹さんと後輩は別人であることを理解、後輩に対して親しみの感情も沸いてくるかもしれません。
いずれにせよ、現実の存在としての後輩を理解することです。
過去の記憶の感覚にとらわれることなく、現実です。
そうすれば、「後輩2人と、女性上司がLINEでもして、私の悪口を言っているのではないか」
という、お疑念やお気持ちも消えるのではないでしょうか。
事実、昇格して後輩を持つまでは、女性上司との関係には、全く問題なかったとのことですから。
まずは、積極的に後輩を知る努力、現実を知る努力をしましょう。
それにより、感情にも変化が起こり、人生も好転するでしょう。
今回の問題に対するまとめ
Y子さんは妹さんに対してあまり良い気持ちを持っておられませんが、問題は、長女に対する警戒心の強いお母さんにあるのです。
しかし、Y子さんにとっては、妹さんの存在が、自分が母から怒られる形となっており、母に対する怒りの感情も、妹さんに向いてしまったのかもしれません。
自分を生んでくれた母を憎むわけにはいかず、本来、母に抱く怒り・否定の感情が妹さんに向いてしまったとも考えられます。
いずれにせよ、お母さんがY子さんに植え付けた問題で、Y子さんは苦しんでいたのでしょう。
そして、お母さんの問題は、Y子さんにとって、姉妹不仲の問題へと発展してしまったのです。
Y子さんは語られてはおられませんでしたが、妹さんの存在が、自分から母親を奪ったと、心深くで思われていたかもしれません。