いつも心が不満一杯の人は人を批判否定し続ける傾向が高い
人が人を批判・否定をする時。その人の心理状態はどのようなものなのでしょうか。
もちろん、誰にでも人を批判、否定する傾向はあるでしょう。
しかし、いつも、常に誰かを、他者を否定、批判しているとしたら、その人の心理はどのようなものなのでしょうか。
そして、その人はどのような人生を過ごした結果、否定と批判ばかりする人になってしまったのでしょうか。
自己肯定・自己受容の大切さ
さて、否定、批判の反意語として、肯定、受容という言葉があります。
自分が自分をある程度認める、肯定している、受容(自分はこんな感じで存在していいと思う感覚)を、お持ちの方は、他者に対する否定、批判は少ないのではないかと考えます。
それは、自分を認めている人は、他人に対しても寛容であり、他者を認める能力があるからです。
また、自分を認めている人は、自分に専念できることが出来、他者に過剰に反応することもなく、その結果として、他者に対する否定、批判はさほど起こらないと考えます。
そして、自分を認める、自己肯定、自己受容とは、親子関係、成育歴等によって、形成されていくのです。
逆に親子関係、成育歴等に問題があると、自分を認めること、自己肯定感、自己受容が培われなくなってしまう傾向が高いと考えます。
他者への批判と否定の心理の原因について
Index
1.自分が満足した人生をおくっていない
幼児期、子供時より親よりの抑圧や自由を奪われた子供は、成長するにつれ、自分の好きなことが出来なかった不満等より、常に不満感が心にたまり、何をしても満足出来ない心理状態になることもあるでしょう。
当然、自分に満足を感じる能力がないと、他者からの親切な行為等も素直に受け取ることが出来ず、何をしてもらっても感謝の心は薄く、逆に、「もっともっと」、自分を満足させて欲しいという願いと、それが叶わないことより、その他者に対して、批判的、不満感を抱くとも考えられます。
その、1番の理由は、自分を満たしてくれない不満から、批判、不満が生じるのでしょう。
(客観的にみると、十分満たしてもらっているにも関わらず、心の中核の不満感が、もっともっと、自分を満たして欲しいと膨張しているのです)。
そして、さらに、自分が満足した人生をおくっていない人は、自分の心が不満の中核にあり、他者の楽しんでいる行為行動笑顔をみるにつけ、自分の抱く不満との対比から、根拠もなく、楽しんでいる人等に対して、批判、否定心を抱くかもしれません。
自分が満足をする人生をおくることは大切なことなのです。
2.子供時より常に養育者等より否定、批判され続けた
子供時より親、養育者等からほめられることが少なく、逆に、常に批判、否定をされ続けた経験のある人は、成長しても人を認めること、ほめることが少なく、逆に批判、否定を強くすることがあります。
それは、人間関係性において、他者を批判、否定する学習がついた結果かもしれません。
批判、否定をする傾向のある人は、悪気はないのですが、無意識レベルで、他者を否定、批判する癖を持ってしまっているのでしょう。
そして、この癖は、親より自身が否定、批判され続けた結果、植え付けられたものと解釈が出来ます。
この場合、自分の他者批判癖に気づき、人の良い点を常に認識、評価をする習慣をつけることが、対策として有効と思われます。
これによって、他者の欠点に目が行ったり、否定、批判する癖は、徐々に影を薄めるのではないでしょうか?
3.自分への理想が高すぎる
自分への理想が高すぎる人。
高い理想を自分に課す方は、その理想が高すぎるため、自分が自分に課した理想を達成することが難しいことが多々あります。
このような時は、高すぎる理想を低めればいいのですが、理想を低めることが、難しい方もおられるのです。
高すぎる理想は達成が困難であり、その理想を達成出来ない自分を、自分が自分を責めることにつながることも多々あります。
自分が自分を責める傾向がある人は、自分を認めることも難しく、その結果、他者を認めることも難しくなります。
常に高い理想を達成出来ない、自分が自分に対して否定的、批判的でありと同時に、他者に対しても、否定的、批判的になってしまうのです。
自分に課した理想を達成出来ない自分の心は常に不満足であり、その不満足感より他者に対しても、出来ていない点のあらさがしをしてしまい、批判的、否定的になってしまうのです。
4.比較により自己の価値を評価する傾向 劣等感との関係
さて、社会は人によって成り立っています。
仕事の成果、容姿等、あらゆることに関して、私たちは、比較を意識的、無意識的に行っています。
そして、常に何事も比較をし続け、自分が他者より劣っていると判断、その結果、強い劣等感を抱いる方は、その自身の抱く劣等感を払拭する心理的意図もあり、他者の欠点を探し、批判、否定を強くされる場合も多々あります。
前項の高い理想を抱き達成出来ない自分を責め続ける心理同様、自分が自分を認められないと他者を認めることも難しくなります。
そして、常に比較癖を持ち、結果として、他者と自分を比べて自分を低く評価。
その結果、強い劣等感が生じ、その、劣等感にのみこまれない為、または、その劣等感に対抗する為、他者を批判、否定して、心のバランスを図るのです。
比較において大切なことは、比較をするのは仕方のないことだとしても、比較した結果に支配されないこと、比較を手放すことではないでしょうか。
そして、自分の独自性を評価すること。
自分に専念することだと考えます。
比較にはきりがないのです。
出来るだけ、比較を手放しましょう。
人(他者)を否定、批判する心理の問題解決に向けて大切なことは、
常に自分の良い点、良い行動を認め、
自分が自分を認め、受け入れることです。