【HSP】繊細さの強みと弊害
私はどうもHSP気質を備えているようです。
HSPについて、他HP等に詳しく書かれていると思いますので、詳細記述は省き、概略のみ記載します。
HSPとは、「とても敏感な人」、Higlhy Sensitive Personの略であり、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士の提唱した概念です。
そして、HSPは成育歴により培われるものではなく、持って生まれた気質です。
私がHSPに関して読んだ本は2冊です。
敏感すぎる自分を好きになれる本 長沼 陸雄著 青春出版社刊
鈍感な世界なに生きる敏感な人たち イルセ・サン著 Discover刊
この2冊であり、両冊ともHSP度のチェックリストが付いてあり、私も実施したところ、HSP度の得点は高かったです。
(しかし、この結果は成育歴の影響かもしれません)。
さて、近年HSPは日本でも、言葉が浸透しつつありますが、私の人生経験も踏まえ、HSPに関して思うところを書かせて頂きます。
HSPの繊細さに対する私の認識について
1.HSPは気質であるが、全ての性格特徴を決定づけない
人の性格とは、気質(生まれ持っての特徴)と成育歴の2つが大きく影響して形成されます。
したがって、HSPの特徴項目が合致したとしても、それは、成育歴の影響かもしれません。
例えば、敏感、繊細な性格特徴。
今、敏感、繊細な性格特徴であったとしても、それは、幼児期よりの両親の不仲、暴力を振るわれる等により、家庭内に安全な居場所がなく、常に心が不安な状況におかれると、日々不安を感じ、また、自分の安全を守るため、敏感、繊細な性格特徴を抱いてしまうこともあるでしょう。
このように、性格特徴1つを捉えても、気質論、成育論、気質と成育の複合論に分けて考える必要があるのです。
また、人とは多面体です。
後述しますが、私は敏感、繊細、また、不安を強く感じるタイプです。
しかし、同時に激しい怒りのエネルギーも持ち合わせています。
真逆の特徴を持っている。
怒りは成育歴によるものと思いますが、HSPの特徴ではありません。
このように、本の質問表より、HSP気質の度合いが高いといっても、全てをHSPで分析、語ることは出来ないのではないでしょうか。
2.HSPは心理職に向いているのであろうか
本の見解によると、HSPの人の70%もの人が内向的なのだそうです。
内向的とは物静か、少人数でいることを好み、深く物事を考える性格特徴と捉えることが出来ます。
また、心理学者ユングによると内向的な人とは、「物質的な世界よりも、内面世界に関心のある人」です。
でも、これはその人が自身の内面世界にしか興味がないということではありません。
ほかの人の内面世界にも興味があるのです。
「だからこそ、内向的な人は、表面的で物質的な事柄についての話題が続くと、退屈してしまいます。
たわいもない雑談をするときは緊張しますが、共通の話題を持つ相手と1対1もしくは少人数で、深い会話をする際は喜んで加わります。
大人数の輪に入るよりも、比較的気を遣わなくて済む、少人数の集まりのほうを好む傾向があります。(イルセ・サン著より引用)」
この文章は、まさに私の性格特徴の一面を明確にしています。
私は表面的な世間話は、あまり好みません。
あまりにも長く世間話しに付き合うと、疲れ、ストレスが溜まります。
それよりも話し、会話の内容を深めたい。
多くのHSPの方も同じ感覚ではないでしょうか。
また、HSPは感性が鋭く、相手の感情を感じやすい傾向もあるでしょう。
まさに、HSPは心理職、心理カウンセラーが天職と書きたいところですが、残念なことに、相手の感情が分かり過ぎ、相手の感情にのみこまれたり、また、自分と相手の感情の間に線をひけないと、客観的思考力が動かず、相手の感情に振り回され、心理カウンセリングの展開は難しくなるでしょう。
HSPは心理カウンセラーとしての才はありますが、自分の感情をいかにコントロールするか、学ばなければならないでしょう。
これが出来れば、心理職として大いに活躍出来るのではないでしょうか。
3.HSP(繊細さ)と心のバランスと怒り
今の私には激しい怒りの感情を強く感じる時が多々あります。
まさに腹の底からマグマのように湧いてくる激しさです。
この怒りの感情。
実は私に対する親の無理解さよりずっと子供時より抱えていた感情です。
しかし、子供時は親よりも力も弱く、おまけに、敏感、繊細、不安が先行して、怒りは体内に溜まっていたのでした。
時の経過とともに、様々な体験をしてきました。
とくに近年は、偉そうに振る舞う、どうしようもないと思われる人(カウンセリングの場ではありません)とも接することも多々あり、怒りの抑制が難しくなってきているようにも感じます。
でも、私にとっては心のバランス面ではちょうどいい。
敏感、繊細、不安だけでは、前に進めない。
怒りのエネルギーは、私を前進させるために必要なものなのでしょう。
(心理カウンセリングの場で怒ることはありません)。
4.何でもHSPの問題と捉えないこと(HSP言葉の弊害)
何か問題が起こった時、全てをHSPの問題として捉えないことは大切です。
そもそもHSPは気質であり、精神疾患ではありません。
何でもHSPの問題と認識してしまうことは、何でもアダルトチルドレンの問題としてしまうことに共通点を感じます。
アダルトチルドレンは気質ではなく、成育歴に問題があるのですが、近年はアダルトチルドレンの特徴だけを把握、家族関係、成育歴には問題はないにも関わらず、アダルトチルドレンの悩み相談と仰る方もおられますが、アダルトチルドレンの特徴が強くあってもアダルトチルドレンではない場合もあります。
これと同様、HSPの特徴と合致する悩みがあっとしても、全てをHSPの問題と考えない方が良い、多角的に考えた方が良いように感じます。
「自分はHSPなだけだ」と考えないことも大切です。HSPであると同時に精神疾患も抱えているということも大いにありうるのです。
HSPの人は、HSPであるということだけに照準を合わせて人生を送らないようにしたほうがよいでしょう。(イルセ・サン著より抜粋引用)」。
さて、以上が私のHSPに関して考えていることです。
私はチェックリストの判断ではHSP気質に該当しますが、もしかすると、実際には機能不全家族の成育歴の影響が大きいのかもしれません。