惨めさと自己憐憫からの思いから抜け出すためには
自己憐憫とは、自分だけが惨め、可哀想等と、自分で自分を惨めな気持ちに駆り立てるものです。
自己憐憫の問題は客観性の欠落した思考、感覚にあります。
なぜなら、この世の中で辛い思いをしている人は、多々おられるのですから。
それにも関わらず、自分だけが惨めだと思う根拠は何でしょうか。
しかし、私は自己憐憫の気持ちを抱くことを非難する気はありません。
なぜなら、その気持ちに至るまでには、相当な思いをされていると思うからです。
人は産まれた時、あかちゃんの時から、自分は可哀想な子と自己憐憫、惨めさの気持ちを持って生まれてくる子はいないでしょう。
人生において、様々な望まぬ経験の積み重ねから、自己憐憫の惨めな気持ちに至ったのです。
しかし、問題は自分だけが惨めと、認識する思考と感覚です。
自分だけが惨めと思ってしまうと、他者をうらやましい、妬みの気持ち。
そして、自己との対比、比較より憎しみの気持ちさえ抱いてしまうかもしれません。
もう一度書きますが、世の中辛い思いをしているのは、あなただけではありません。
私もいろいろと辛い思いや、惨めな思いはしています。
実際、多くの人は、挫折、望まぬ経験等から、辛さ、惨めさを経験しているはずです。
ただ、その経験の内容が違うだけだと思います。
辛い気持ちに満ちている人は、他者からの同情を得ること、自分のことを分かって欲しい気持ちを多々求め、自己の癒しとするかもしれません。
しかし、これは落とし穴にはまるのと同じことです。
自己憐憫と惨めさからの脱却のために
1.自分のことを全て分かってもらおうと思わないこと
残念ながら、他者に自分の全てを理解、共感、分かってもらうことは不可能です。
なぜなら、人は自分の経験を主として生きており、その意味では、自己のフィルターを通して、人を理解、判断する傾向があります。
したがって、自己の全てを理解してもらうことは不可能なのです。
まして、自己憐憫、自己の惨めさを話すことは、聞く側にとっては楽しい話しではなく、ストレスをもたらす場合もあります。
自分の惨めさを話したい、さらけだしたい気持ちが高いのであれば、話しを聞いてくれる人を選びましょう。
2.「どうせ」という自己メッセージは発しないこと
自己憐憫に浸る傾向のある人は、他者に自分の惨めさ等を分かって欲しい気持ちが強い傾向があります。
しかし、上述の通り、人は他者の話しを、全てを理解出来るわけではありません。
もし、あなたが、自分の惨めさ等の話しをして、相手が今ひとつ分かない態度を示したとしても、「どうせ」、自分の話し等分かってくれる人はいない等と、この自己メッセージは発しないでください。
人は他人のネガティブな話しを聞いても楽しくはありません。
したがって、本音はあまり聞きたくはないでしょう。
「どうせ」という自己メッセージを発してしまうと、本当に誰もあなたの話しを聞いてくれない現実を招くことになりかねません。
それは、せっかく時間を割いてあなたの話しに付き合ってくれた人に対する、背信行為、感謝の気持ちのない行為だからです。
二度と、あなたの惨めさには付き合わないと、決意されるかもしれません。
3.ため息をつかないこと
「自分は何をやってもダメ」、「惨めな人生」。
話しをしながら、ため息をつくのはやめましょう。
ため息とは、他者を不快にする行為です。
あなたの話しを聞いている人も、あなたの、ため息が移り、あなたの話とため息に、いい加減にしてくれと思わせてしまう可能性があります。
また、1人の時でも、自分の惨めさを振り返り、自己憐憫に浸り、ため息をつくのはやめましょう。
確証はないのですが、ため息は運気を逃します。
あなたの、運気の上昇を阻みます。
4.信頼出来る人に悩み等を話してみること
一度は信頼出来る人に、自己の惨めさ、自己憐憫を話してもいいでしょう。
しかし、それ以上は話さないことです。
自己憐憫、自分の惨めさを話せば、話すほど、すっきりするどころか、自分は惨めであるとの気持ちを強くされる傾向が強まる可能性があります。
それは、話す、語るということは、自分の話しを自分の耳で聞き、自己認識(惨めさ)を強めてしまう傾向があるからです。
今までのご苦労、悲惨な思いも、前向きな気持ちで、少しずつ歩めば、また、人生変わります。
前向きな相談であれば、人は心良く聞いてくれるものです。
なぜなら、聞く側もストレスがなく、あなたがどうしたら元気になれるか、自分が役立てるか、相談を受ける側も前向きな気持ちになれるからです。
自己憐憫、自己の抱く惨めさから抜け出すためには、惨めな話しを語り続けることではなく、少しでも、今よりも、気持ちを高揚させ前向きな気持ちになることが一番です。
でも、その前に徹底的に自分の惨めさ、自己憐憫の話しを聞いてもらい、ネガティブな気持ちを空にしてから、気持ちをリセット、前に進みたいという思いがあるのでしたら、それも1つの方法かもしれません。
この場合は、話しを聞いてくれる人を慎重に選びましょう。