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破壊的恋愛『モラルハラスメント』|モラハラとは別離が一番の解決策

恋愛依存。
この悩みについては、心の悩み相談集でも何回か書きました。

恋愛依存者は自分の存在価値が希薄なため、また過剰な見捨てられ不安を抱えているため、パ-トナ-との過剰なつながりを求めます。

具体的な方法としては尽くす。
物理的な方法でつながっていることを常に確認する(電話・メ-ル)、これとは逆にパ-トナ-を失いたくないために暴力で脅すこともあります。

いずれにせよ、パ-トナ-と別れたくない症候群であり、常に何らかの方法を駆使して、自分の側に留め置きたい関係性の依存と言えます。

今回はこのパートナ-を手放したくない恋愛依存者と一見似ていると思われる、恋愛夫婦関係における「モラルハラスメント」について書きたいと思います。

目次

モラルハラスメントの加害者の動機と解決の可能性

モラルハラスメント。

この言葉から何を連想しますか?

様々な定義があると思いますが、ひと言でいうと、精神的暴力と言ってもいいと思います。

精神的暴力とは相手を認めない、何をしても相手を否定する、バカにする、嫌そうにする、無視する等様々な態度をとることにより、相手の価値を落とし、その精神を追い詰めていきます。

さて、モラルハラスメント=精神的暴力として書かせて頂いたのですが、重要なのは、なぜ、精神的に相手を追い詰めるのか、その動機です。

心理的動機があって行動が促進されるのですから、その動機は重要です。

1.成育歴等によりパートナーを追い込むタイプの例

アダルトチルドレンも、常に自分が正しいという認識のもと、パ-トナ-を否定して精神的に追い詰めることはよくあります。
それは、アダルトチルドレン自身が親からそのような育てられ方をされたからです。

子供の頃親より、「親は正しい、お前はダメだ」、「子供は親の言うことを聞いていればいい」等否定され追い詰められる育てられ方をされると、大人になりパ-トナ-と一緒になった際、自分が親にされたのと同じことを、無意識にパ-トナ-や自分の子供にしてしまうことがあります。

したがってこの場合の心理的動機は、「自分は正し」「自分の言うことを聞け」という、親からの生育の過程で身に浸み込んだものとなります。
また、対人行動の未学習の観点から考えても、パートナ-を精神的に追いこむ方法しか知らないのです。

さらに、恋愛依存者はパ-トナ-と別れたくないがために、パ-トナ-を精神的に追い詰め無力化を図り、自分の側から離れられないようにする場合があります。
この心理的動機はパ-トナ-と別れたくないという思いです。
関係性の依存です。

成育歴、恋愛依存にて、パートナーを追い込むタイプであれば、カウンセリングも有効であると認識します。

さて、では、モラルハラスメント加害者によるパートナ-を精神的に追い詰める心理的動機、背景とはどのようなものがあるのでしょうか。

2.自己愛性人格者のモラルハラスメントに対する動機

マリ=フランシス・イルゴイエンヌ著、「モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない」。
イザベル=ナザル・アガ著、「こころの暴力 夫婦という密室で 支配されないための11章」。
この2冊(共に紀伊国屋書店刊)の文献をもとに記述していきたいと思います。

モラルハラスメント加害者は過剰な自己愛性人格者です。
したがって、自分はOK、他者はNOという人生態度を持ち生活しています。

基本パタ-ンは「悪いのはすべて相手の責任」であり、また過剰で変質的な自己愛から、「他人を人間として考えることができないという<能力の欠如>と、自分のためにすべてを利用しようとする<冷たい合理性>が組みあわさってできたもの」となっています。

したがって自己愛が強く、共感能力のない自分勝手なモラルハラスメント加害者は、パ-トナ-に対しては、恋愛感情ではなく、自分の価値を高めるための道具として接することになります。

自分の価値を高めるためにパ-トナ-を必用とするのであれば、パ-トナ-に対して日々どう接するでしょうか?

それはパートナ-の価値を貶めることが一番です。

したがって、認めない、否定する、バカにする、嫌そうな態度をとる、他者と比較して侮辱する、曖昧な自己表現を行い混乱させる、敢えて嘘を言い恥をかかす等様々な手をつかうのです。

そしてパートナ-を無力化して支配します。

しかも、恋愛依存者のパ-トナ-を手放したくない思いから無力化して縛りつけるのとは違い、パ-トナ-をいだふることに快感を感じ、これでもかと落とし精神の破滅に追いやるのです。

すべては、自分の自己愛を満たすため。自己の優越性確認のためです。

例えば、恋愛依存者でしたらパ-トナ-があまりにも傷つき「別れる」とでも言いようものなら、土下座してでも謝り、自分に対して罪悪感を感じるでしょう。

しかし、モラルハラスメント加害者は共感能力に欠けており、パ-トナ-の別れの言葉を聞いても罪悪感を抱くことはありません。

でも、パートナ-がいなくなると自己の優越性を確認する相手もいなくなり、自己価値も低下してしまうので、口先だけでは謝るかもしれません。
しかし反省はしません。

なぜなら、そもそも1人の個としてパートナ-の存在を認めていないからです。
自分に必用な道具なのです。

モラルハラスメント加害者はパ-トナ-を侮辱して支配することにより、自分の存在を満たすという人格障害レベルです。

しかも頭の回転は基本的に早く、演技性も高い。
一見この人がモラルハラスメント加害者とは周囲は信じられないようです。

そして、逆にいじめぬかれ、取り乱しているパートナ-の方が、常軌を失していると誤解されることもあるようです。

ではモラルハラスメント加害者はどのような人をいけにえとして選ぶのでしょうか?

それは、そもそも自己価値の低い、罪悪感を感じやすい人です。

モラルハラスメント加害者は、最初はパートナ-に対して自分の人生の悲惨さや、苦労話を開けらかせ(作り話かもしれませんが)、パートナ-の同情を誘うパタ-ンがあります。

そして、パートナ-はモラルハラスメント加害者を何とか元気ずけよう、側にいてあげようと振る舞い、やがてはモラルハラスメント加害者の罠にはまっていくのです。

3.モラルハラスメント解決のために「別れる」選択肢

では、一度モラルハラスメント加害者と関係を築いてしまった場合はどのようにすればよいのでしょうか。

2人の著者が共通して言っていることは、
「別れること」。
これしか方法はないようです。

そもそも、モラルハラスメント加害者は変質的な自己愛性人格者です。
自分はOK。他者はNOです。
モラルハラスメント加害者をカウンセリング等で変えることは不可能なのです。

ですから、モラルハラスメントのパ-トナ-がまず加害者と別れ、そして傷ついた自己価値、心を癒し、立て直すしかないのです。

私の心理カウンセリングにおけるモラルハラスメント夫婦に対する対応

私はモラルハラスメントの相談は受け賜わっておりません。

モラルハラスメント加害者は、人格に問題があり、カウンセリングを受けたとしても、心理カウンセラーを打ち負かそうと論戦を吹っかけてくる場合もあるでしょう。

心理カウンセンリグの場は論戦の場ではありません。
自分を振り返り、自分を改め、新しい自分を創る場です。

したがって、モラルハラスメントのカウンセンリグ、モラルハラスメント加害者が人格に問題がある場合、カウンセリングを受け賜わる意味がありません。

また、モラルハラスメント行為を受けて苦しんでおられる方についても、申し訳ありませんが、カウンセリングは受け賜わることは控えさせて頂いております。

モラルハラスメント関係性の解決策は、「別れる」ことだからです。

精神疾患マニュアルによる、自己愛性パーソナリティ障害の特徴

参考 自己愛性人格障害者(パーソナリティ障害)の定義を、精神疾患マニュアルの分類と診断の手引き DSM-Ⅳ-TRより参考のため記述します。

自己愛性パーソナリティ障害
誇大性(空想または行動における)、賞賛されたいという欲求、共感の欠如の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる、以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。

① 自己重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)。

② 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。

③ 自分が特別であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達に(または施設で)しか理解されない、または関係があるべきだと、信じている。

④ 過剰な賞賛を求める。

⑤ 特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。

⑥対人関係で相手を不当に利用する、つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。

⑦ 共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。

⑧ しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。

⑨ 尊大で傲慢な行動、または態度。

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