人間関係の悩み
私たちが人間関係の悩み、人との関係性が築けない悩みで悩む時、それは、コミュニケーションの能力の問題が原因でしょうか?
それとも、性格(認知、思考、捉え方、感覚)の問題でしょうか?
人間関係の悩みと、コミュニケーションの問題、性格の問題は、強くつながっていると考えます。
そしてこれらの問題は、心理オフィスステラの心理カウンセリングのコンセプトである、「自分らしく生きる」ことにつながっていくのです。
さて、今回は人間関係の悩みについて記述いたしますが、人間関係といっても、その関係性の幅は大変広いと思います。
職場の人間関係、友人、家族、恋愛、これらも全て人間関係です。
また、これらの人間関係で悩まれている方も多々おられることでしょう。
さて、今回、人間関係の悩みは、サークル、習い事のグループ、複数の友人関係等、私的、プライベートな人間関係、人間関係の問題、悩みに焦点を合わせて書き進めます。
職場の人間関係の悩みは別ページに書かせて頂いております。
人間関係の悩み問題とは
人間関係の悩みとは、文字通り、人間関係が築けないことからくる、心理的に苦痛な状態を示しています。
では、なぜ、人間関係が築けないのでしょうか?
- 人間関係を築く基本的なスキル能力を獲得していない
- 話しを聞くこと、自分のことを話す勇気そして信頼関係を築く
- 好かれようと懸命になり他者に気を遣い過ぎ疲れる
- 自分が理想とする人間関係について考える
- 人間関係から得るものと失うもの
- 人間関係とは資産であり、そこから思い出というさらに深い資産を得る
- 人間関係が上手に築けなくても人間失格ではない
1.人間関係を築く基本的なスキル能力を獲得していない
人間関係を築くためには、人間関係を築く為の、スキル、または、能力の獲得が必要です。
では、人間関係を築くためのスキル、能力とは具体的にどのようなものでしょうか?
人間関係を築くための基本的なスキルについて3点書かせて頂きます。
それは、初対面時において好印象を示せるか、そして、笑顔、さらには、雑談となると思います。
人間関係を築く際、初対面の印象は大変重要に要因となってきます。
a)初対面において好印象を示すためには
正直に書くと、私自身、初対面の方に好印象を示すということには、さほど力を入れていません。
理由は、初対面の印象が良い人でも、人間性に邪を感じたり、傲慢さ、腹黒さを抱いている人は多々おられると考えているからです。
初対面の印象に騙されないこと、固執しないことが、私の主義となっています。
しかし、そうはいっても、やはり、人間関係を築くため、初対面の印象は大切です。
あえて、悪印象を抱かせる必要もないでしょう。
さて、私が思う、初対面での好印象とは、ハキハキとした挨拶が出来る、礼儀正しさ、顔の明るさ等ではないでしょうか?
後述しますが、暗い印象、気難しそうな顔をしていると、初対面時の印象は良くありません。
これらは、成育歴、性格の問題とも関係してきますが、初対面の重要性については、会社面接時等、男女を問わず、顔写真を履歴書に貼り付ける時、どれだけ印象アップを意識しているか、お分かり頂けるのではないでしょうか?
もちろん、初対面の印象があまり良くなかったとしても、会う機会、付き合いが深まるほど、印象が良くなり、仲が深まっていくことも当然あります。
b)笑顔
少し口角を上げた笑顔。
大切だと思います。
人とは初対面の方に対しては、どちらかというと、警戒心を持ち、警戒感の強さより、欠点を探す傾向があります。
そこに、笑顔を持って接すれば、相手の警戒心も和らぎます。
また、少し口角を上げた笑顔で接すると、話し易い印象も与え、コミュニケーションのきっかけがつかめ、人間関係が築きやすくなります。
口角を上げるコツを書かせていただくと、割りばしを加えて練習をすること。
これだけです。
これは、30年程前、私が話し方教室の先生から教わりました。
当時の私は30歳、私も人間関係で悩み苦労した1人です。
c)雑談
雑談と聞いて、どのようなイメージをもたれますか?
自分の好きなことを話す。
例えば、旅行、スポーツ、映画、恋、おいしいお店のこと、趣味等。
雑談とは、お互いがお互いの興味、嗜好の話し等を行い、人間関係を築く基礎的な会話、コミュニケーションなのかもしれません。
さて、雑談に対して、「意味のない会話」と定義される方もおられますが、心理カウンセラーの私が考えるには、雑談は「意味のない会話」ではありません。
雑談があって、目の前の人のことを理解出来るのです。
そして、この人とは話しが合う、いや、今ひとつ趣味が合わない、考え方が極端でついていけない等、相手の方を理解判断する材料を、雑談は提供してくれているのです。
簡潔に書くと、雑談は目の前の方とより親しくなろうか?
または、ほどほどの付き合いにしようか等。
人間関係を築く、深める為の、判断材料なのです。
もちろん、雑談から意識的に、相手との関係性を深めるか否かを判断している人は少ないかもしれませんが、相手に対する、これからも深く付き合って関係性を深めたい等、無意識な判断、感性の判断はされているように思います。
さて、雑談ですが、雑談とは自分を知ってもらう為の自己PRの要素もあります。
自分をPRして、自分を知ってもらう。
その、結果は相手が判断をするのですが・・・。
雑談における自己PRの要素は、人間関係を深める重要な要因となります。
したがって、雑談を軽んじて、「意味のない会話」と評すると、人間関係を築くことが難しくなってしまうのです。
再度書きますが、人間関係を深める為には、雑談は重要な要因です。
雑談が出来ない悩み。
話しが続かない悩み。
雑談が出来ないため、人間関係で悩んでいる方は案外とおられるものです。
雑談はスキルです。
もし、雑談、雑談力で悩んでいるのでしたら、心理カウンセリング等を受けてみて、雑談の応答技法、スキル等学ぶことは有効でしょう。
2.話しを聞くこと、自分のことを話す勇気そして信頼関係を築く
さて、雑談とは自分の趣味等、表面上の内容のコミュニケーションでしたが、人間関係を深める為には、お互いの信頼関係が重要となってきます。
では、コミュニケーション、会話を深め、人間関係を深める為には、どのような内容のことを話すことが重要でしょうか?
それは、自分の価値観、思い、悩み等、その人の深い部分に触れる内容ではないでしょうか?
雑談では表面的に盛り上がりましたが、それだけでは、盛り上がるだけの人間関係で、深い部分でのつながりを得る関係性には結びつくことは難しいでしょう?
さて、自分の深い部分、思い、悩み等を話すことに対して、抵抗感を抱く方もおられます。
「こんな話しをしたら嫌われるのではないかな」
「迷惑ではないか」等。
相手の反応を過剰に気にして心配されるのです。
でも、自分の深い部分を話さないと、人間関係は深まりません。
したがって、思い切って話すことが大切なのです。
自分のことを話す勇気です。
そして、同時に相手の深い話しも、真剣に聞くということも大切でしょう。
お互いがお各々抱えている深い事柄等を話し、理解し合うことは、相互受容であり、人間関係の信頼度が増しいてくのです。
人間関係を築き強めるためには、信頼関係が比例するのです。
3.好かれようと懸命になり嫌われることを恐れ他者に気を遣い過ぎ疲れる
人間関係の悩み相談、心理カウンセリングの相談内容においては、「人に気を遣い過ぎて疲れる」という悩みが多々あります。
人間関係、所属する集団から嫌われる事、排除を恐れて、必要以上に他者に気を遣ってしまうのでしょう。
では、具体的に他者に気を遣い過ぎるとは、どのような行為を示すのでしょうか?
・周囲が喜ぶようなことを過剰にまで言う
・話し合い等の場において、自分の意見は言わず、周囲に合せ続ける
・自分が嫌な行動でも、断ることをせず、同調する
・常に自分が嫌われてはいないか、他者の言動を探り続ける
等々。
これらの行動は、人間関係を大切にしているという以上に、自分が他者からの否定を恐れ、集団、人間関係からの排除をされない為と考えられます。
しかし、誰でも、他者に気を遣い過ぎると疲れるものです。
理由は、自分ではない他者に嫌われない為にはと考えるのですが、実際のところ、他者が何をしてあげたら喜び、何をされたら嫌われるか等、分かるものではありません。
その、分からないことを、人間関係維持の目的から、自分に課すのですから、それは、思考、感覚もフル回転して疲れるでしょう。
そして、人間関係を維持する為に、周囲に合せ続けたりすることは、自分の意見等を主張しないことにつながり、自分の言いたいことも言えず、同調行動における人間関係を維持する為に、不本意ながら付き合うという、ストレスも増えるのです。
まさに、人間関係を維持するために、人間関係で悩むという、逆転現象をつくってしまうのです。
人間関係を維持するために、過剰に気を遣い、嫌われていないか周囲のチェックをし続け、周囲に合せ続ける。
しかし、この人間関係の維持の仕方は、自分を大切にして、相手も大切にして、お互いが尊重し合う人間関係とは、大きくかけ離れています。
むしろ、相手、周囲を優先してしまっているのです。
その為、自分が疲れ、人間関係の悩みへと発展するのです。
気を使い過ぎる問題としては、意識的に嫌われないようにという、嫌われることに対する考え方、捉え方の癖が問題をつくり悩むこともあるでしょう。
また、基本的性格として、他者を意識して気を遣う性格が人間関係の悩みを深めているのかもしれません。
心理カウンセリングは、人に気を遣い好き疲れ人間関係で悩むという、性格の問題も含めた、悩みの解決に向けて、有効に機能すると思います。
4.自分が理想とする人間関係を考える
人間関係を形成、維持していく、そのために自分が心理的に無理をしていてはストレスより、その関係性より脱退することになってしまうかもしれません。
その為、自分はどのように人と付き合いたいのか、どのような関係性を築きたいのか、その中で自分はどう在りたいのか、振る舞いたいのか等、考えることも必要でしょう。
そして、考えた、理想とする人間関係においての振る舞い等を、実行していくことも大切かもしれません。
もちろん、自分勝手な行動、振る舞いでは、周囲から嫌われてしまいますが、自分も大切に、周囲も大切に、バランスの取れた行動、振る舞いであれば、良好な人間関係を築け、維持出来るのではないでしょうか?
そして、理想とする人間関係を考えるにおいて重要なこと。
それは、「全ての人に好かれよう」と考えないことです。
全ての人に好かれようとすると、自分が嫌われていないか、自分の否定点のみチェックを行い、自己否定症候群のようなものに、陥ってしまうかもしれません。
これは、自分に対する悩み、人間関係の悩みを深めてしまいます。
「全ての人に好かれる」。
実現不可能な人間関係の理想を掲げず、バランスの取れた、人間関係を目指しましょう。
その、バランスとは、先にも書きましたが、自分も他者の尊重出来る、人間関係です。
5.人間関係から得るものと失うもの
人間関係とは大切なものです。
私たち人間がここまで進化した理由の1つとして、集団でまとまり、協力して、助け合い、時には外敵に立ち向かった経緯があります。
人とは協力し合わなければ、生きることが難しいことが多々あるでしょう。
したがって、社会システムにおいても、人間関係構築が重要なものとなるのです。
しかし、人間関係が重要になるということは、人間関係を複雑化して、また、人間関係に適応する悩みも深刻化していく、私はこのように考えています。
a)人間関係から得るもの
上述しましたが、私たちの社会は人との関係性において成り立っています。
したがって、人間から得るものは、計り知れないものがあるでしょう。
・助け合う、協力しあうことからの恩恵
・他者から承認される自己肯定感の高まり
・理解された喜び
・ちょっとしたコミュニケーションによる気分転換等
様々です。
b)人間関係から失うもの
- 人間関係を構築及び維持するための付き合いによる、時間とお金の支出
- 他者より否定されたと感じることよりの劣等感、悩み(自己喪失)
- 人の輪の中に入れない喪失感と悩みと自分自身を否定する気持ち(自己否定)
- 等々
さて、人間関係から失うものというものは、大別すれば、2つに分かれます。
人との関係性において、悩み、心理的苦痛を味合う事態。
これは、自分自身の自信や自己肯定感の低下を招きます。
また、過剰に無理に人に合わそうとすると、自分自身を失い悩みます。
人間関係に過剰適応する結果、人に気を遣い過ぎ、ストレスより悩みます。
このように、まずは、人間関係、人の輪の中における他者との軋轢、過剰適応による自身の振る舞いから、自信を失い、自分自身を失い、心の問題が生じ健全な自分を失います。
そして、もう1つの失うものとしては
人間関係を築く、または、その人間関係を維持する為の付き合いです。
これには、時間とお金を割き、この2つを失います。
人間関係を優先すると、その集まり(例えばランチ等)、断ることに気が引け、または、断ると排除される恐れから、無理に参加、ストレス、悩みも生じるでしょう。
人間関係を維持する為にと書きましたが、一度築いた人間関係が、その集まりに1度や2度欠席したぐらいで、自分が排除されるでしょうか?
その程度の関係性であれば、不要な関係性かもしれません。
最初に書きましたが、今回、人間関係の悩みとして、その、人間関係は、私的、プライベートな関係性を中心に書いています。
したがって、その人間関係は会社組織のように硬直的なものではなく、柔軟性、フラット、気楽なものです。
そして、その関係性の基盤は信頼でしょう。
私的、プライベート、信頼を基盤とする人間関係において、築いた関係性より簡単に排除されるものなのでしょうか?
客観的に考えてください。
必要以上に悩まないこと。
悩みを増やさないことも、人間関係の悩みの解決には大切なことです。
お金や時間の余裕のない時は無理に参加せず、集まりに無理に参加することよりのストレスを避け、自分を大切にしてください。
6.人間関係は資産であり、そこから思い出という資産を得る
さて、楽しい人間関係。
仲の良いフレンドリーな人達と過ごした、一時の楽しい時間。
1人では出来なかったことも、皆で力を合せて努力奮闘、実現を果たした。
これらは、素晴らしく、楽しい、記憶に鮮明に残る思い出となるのではないでしょうか。
人間関係とは資産でもあり、そこから、思い出という、生涯に渡って大切な資産をもたらすのです。
また、人間関係からの資産、恩恵としては、自分が生きるための勇気、支援、チャンス、活動の場の確保等。
活き活きとした人生を送るため、人間関係という資産は、私たちにサプライズ、プレゼントを用意してくれることも多々あり、これらの経験体験も、思い出としての資産にもなるでしょう。
さて、この資産として人間関係を築けないことで悩んでいる方は、いかにすれば人間関係を築けるのか、人の輪の中に入れるのか。
やはり、基本的な人間関係を築くための能力確保、性格的な問題等を考え、クリア出来る点はクリアして、人間関係を築くための再挑戦を行っても良いかもしれません。
これは、人生を後悔しないためのアドバイスとして。
私たちは社会に生きており、人の中に生きています。
人間関係とは、人生の質に大きく影響します。
心理カウンセリング等を受け、人間関係について考え、振り返り、人生の質を高めることは意義があるのではないでしょうか。
7.人間関係が上手に築けなくても人間失格ではない
さて、人の輪の中に入りにくい、人間関係を築くことが難しいと思われている方は、自分自身に大きな問題があり、自分を追い詰め、自分自身に対して、「人間失格」のレッテルまで貼られている方もおられます。
深く、深く、人間関係のことで悩む抜いた結果でしょう。
しかし、この社会、世界には、持ってうまれた気質や能力より、社交性も高く、さほど苦労することなく、人間関係を築ける方もおられれば
どちらかというと、1人で静かに生活することを好み、私生活の充実を大切にされ、あまり、人間関係を築くことに力を入れない、いや、人間関係を築くことに力を割くことが煩わしいと思われている方もおられます。
実は、私もその1人です。
しかし、私はその自分を受け入れ、それで良いと思っています。
無理をして、集団や人の輪の中に入ろうとは思いません。
これが、私の性格であり、「自分らしく生きる」ことであると考えています。
しかしそれでも、社会は人間関係で成り立っています。
したがって、私も必要に応じて、人の輪の中に入り、関係性を少しは築く努力をしています。
基本的な、人間関係を築く能力は、経験体験上獲得しており、初対面の方に対して苦手意識はありません。
しかし、ずっと、人の輪の中にいると、しんどくなってくることもあり、適度に抜け出す等、自分をコントロールしています。
世の中、社会には、様々な個性を持った方が多々おられます。
したがって、プライベートを最優先、人間関係についてはさほど考えない方も、存在してOKなのです。
人間関係が築けない悩み。
人間関係が築けなくても、多少のつながりがあれば、それで良いのかもしれません。
それに、大勢の人の輪の中に入れなくても、膝を突き合わせ、本音を語り合える生涯の友人が数人いてくれる方が、人生において、より実りが深まるかもしれません。
さて、結論です。
人間関係が築けない、人の輪の中に入れない、だから、自分は「人間失格」だと、自身に烙印を押さないでください。
この社会には、本当に様々な人が存在しています。
自分の個性を大切に。
個性は独自の能力にもつながります。
その能力開花にエネルギーを向けることも大切なことです。
そして、自分を大切に、自分らしく生きましょう。
人間関係のことで煩わされず、必要以上に悩むことなく。