ちょっと、からかっただけで激怒する人の心理
人とは不思議なもので、普段は穏やかにみえるのに、ちょっと、からかっただけで(冗談で少しバカにしたような態度を取っただけ)、激怒する方がおられます。
その心理はいったい何でしょうか?
普段は穏やか、でも、ちょっと、からかっただけで、激怒される方とは、相当、バカにされるのが嫌いな人なのではないでしょうか。
しかし、バカにされたら誰でも、怒りを感じるものです。
でも、ちょっとした程度(実はこの感覚は人によって差があります)なら、受け流す選択もあるのですが、なぜ真正面から受け止め、激怒、激高、怒り狂う状態になってしまうのでしょう。
以下、私の考えたパターンを書き進めたいと思います。
ちょっとのこと・軽いことでも激怒する・5つの心理パータン
1.心の傷・自分のテリトリーを守るため
まず、自分という人間を心理的に維持するためには、安全な自分の心のテリトリーが必要となってきます。
このテリトリーを守るためには、他者からの攻撃に対して、過剰に反応することもあるでしょう。
これは、他者から攻撃(口撃)より、自分を守っているのです。
守るためには、当然、反撃が必要です。
それが、怒りなのです。
そして、ちょっと、からかたっただけで激怒するとは、その人が普段より、何かを意識的(無意識的)に気にしていたり、自分の中で消化出来ていない、心の傷をつかれると、当然、その心の傷が疼き、心の制御が出来なくなり、心が大爆発、激怒、激高となるのです。
もちろん、からかった方も、相手がどんな心の傷を抱えているか、分からずのことでしょうが。
基本的に悪意のある、からかいは、敏感に相手に伝わり、激震に触れることになるのです。
したがって、私の本音は軽い気持ちでも、人をからかったり、小ばかにしたような言動は慎んだ方が良いと思っています。
2.親との関係性による過剰反応
過去、親から心が傷つく無情に言われ続けた言葉(言語的・心理的虐待含む)も、人によっては、その親から言われ続けた内容と、同じ内容の言葉を言われだけで、激怒される方もおられるでしょう。
例えば、常に親からバカにされ続けた人であれば、少しでも、他者よりバカにされたと感じた言葉を受ければ、癒されていない、過去の心の傷より、激怒されるかもしれません。
「こいつも、俺のことをバカにするのか」というお気持ちもあるでしょう。
それだけ、過去の親から受けた心の傷は、現在においても、過剰反応することが多々あるのでする。
しかし、よくよく、振り返り、考えてみると、ちょっとからかった人は、本当にその人を傷つけようと思い、言葉を発したのでしょうか?
人間関係性も築けており、信頼感に基づき、少しからかいの言葉を発しただけかもしれません。
この事態を客観的に考えると、激怒するのは、過剰反応している自分にも、問題があるとなるでしょう。
もちろん、その背景根底には、親の言葉の呪縛が、心の底にあるのですが・・・。
しかし、親から言われ続けた言葉で、今も過剰な感情反応を起こす、その心のは分かるのですが、今、その親は眼前にいないのです。
過去の親の言葉、態度等により、まだ、自分が縛られ苦しんでいる方は、一度、心理カウンセリング等を受け、自己分析を深められた方が良いかもしれません。
心の中に住む、自分を傷つける親を、追い出す、お気持ちも重要でしょう。
3.人に対する好き嫌いが激しい
同じ一言をAさんに言われるのと、Bさんに言われるのと、全く、反応の違いが生じる時があります。
私には、この経験はあります。
あなたには、ありますか?
同じ言葉、メッセージ、ユーモア、親しみのある、軽いからかいの言葉。
Aさんには笑って許す、しかし、Bさんには大激怒。
一体、この違いは何でしょうか?
おそらく、Aさん、Bさんに対する、好感と嫌悪感、各々に抱く感情の違いではないでしょうか?
人は好感を抱いてる方からは、少しぐらいからかわれても、冗談を言っている程度と判断、許すものです。
しかし、嫌悪感を抱いている相手には、そうはいかず、普段からの嫌悪感も増幅し、ちょっとしたからかいの言葉でも、バカにするなと大激怒となる場合もあるでしょう。
そもそも、嫌悪感を抱いている相手とは、関わりたくない相手ですから、その相手が、バカにしたような態度で、ヘラヘラと人のテリトリーに入ってきた。
まして、その相手が心ない一言を言う。
無意識に抑えている、彼(彼女)への、嫌悪感が爆発するのかもしれません。
このように、他者に対する、好き、嫌いの感情(無意識的かもしれません)も、相手によっては、激怒、激高、大爆発に至る可能性もあるのです。
4.劣等感との関係
人によっては、様々な劣等感を抱えているものです。
でも、誰がどのような劣等感を抱えているのかは、理解しにくいものです。
さて、この劣等感を刺激するような、ちょっとしたからかいの言葉は、その劣等感の高さ、強さと比例して激怒となることもあるでしょう。
(心の傷、親との関係性による過剰反応と似ているようですが、前2つが、他者から受けた心の傷に対して、劣等感は、自分が他者と自分を比較。その結果、自分は劣っていると、自分が自分にレッテルを勝手に張り、劣等感が生じることが多々あります)。
劣等感とは、普段、人は意識していないこともありますが。
ちょっとしたからかい言葉で、自分が大激怒してしまったのであれば、その激怒パターンは常に類似していると思われます。
その激怒パターンを記録、分析して、自分はこのような言葉を受けた時、怒るのだと傾向を掴み、劣等感とその基をなす原因を分析することにより、劣等感を改善出来るかもしれません。
5.これ以上傷つきたくない・自分を守るため
ちょっとしたからかいの言葉。
ユーモアあふれる親しみの言葉(少しからかいの要素あり)。
これらの言葉を聞いて、激怒、大獏発する傾向が高い人は、「自分はこれ以上傷つきたくない、自分を守る傾向の高い人」ではないかと思います。
上述してきたように、心の傷 自己のテリトリーを守る、親との関係性による過剰反応、人に対する好き嫌いが激しい、劣等感との関係等、意識、無意識関係なく、「もう、これ以上同じことで傷つきたくない」、自分を守るための心理的な行動ではないでしょうか。
人はふとした言葉で、怒り、激怒、激高するものです。
怒っている時は、瞬間湯沸かし器のように、冷静さもないでしょうが。
怒った後、自分はなぜ、あそこまで、激怒、大爆発したのだろうか。
冷静になって振り返ってみてください。
自分がどのような言葉に、過剰反応しているのか?
過去から続く、自分が抱えているパターンではないのか?
いろいろと、振り返ってみてください。
きっと違う、景色が見えてくるのではないでしょうか?