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アサ-ション・適切な自己表現について

自己主張。
主張による表現。

私たちは自分の考えや意見を主張すること、特に相手に対して自分の希望、期待、欲求を主張、発信することに難しさを感じることが多々あります。

また、相手からの要望を断ることにも難しさを感じます。

それはなぜでしょうか
そして、どのようなコミュニケーションにて、適切に伝えればいいのでしょうか?

目次

適切な自己主張の難しさ アサーションとは何か

1.相手に要求、要望を伝える難しさ

それは、私たちが自己主張したあとの影響を考えてしまうのかもしれません。
嫌われるのでは、怒らせてしまうのでは等。
自分の主張に対する相手の反応を過剰に意識してしまうのです。
また、自己主張することの難しさとして、自己主張するスキルを磨いていないのかもしれません。

でも、適度に自己主張しないと、人間関係がうまく築けないことは、皆さんもご経験あるのではないでしょうか。

例えば相手に、「こうして欲しい」といった要求を伝えることは難しいとします。

これを我慢をすると、なぜ相手は自分の要求、思っていることに、気がつかないのだろうと怒りが生じます。
相手の気づかない鈍感さに苛立ちを覚えてしまうのです。

2.断る自己主張の難しさ

しかし、残念ながら、私たちの要求は伝えないと分からないのです。

また、あなたが相手から頼みごとをされた時、どうしますか?
都合が良ければ快諾するでしょうが、都合の悪い時は?
断りますか?
どのようにして。どのように相手に対して断りますか?

また断れない場合はどうしますか。
無理をして相手の頼みを聞きますか?
しかし、無理をして相手の頼みを引き受けた結果、あなたは余計な仕事や用事を抱え込み、ストレスを抱え込んでしまうかもしれません。

相手の要望や頼みごとを断るにはいかに伝えるか。

自分の要求や期待を相手に伝える、嫌なことは断る。
このために大切なことは何でしょうか?

3.適切な自己表現(アサーションとは何か)

それは、自分の気持ちに正直に、しかも相手を責めるのではなく、傷つけるのでもなく相手に伝える。
自分の感情を尊重しながらも、相手の感情も尊重して、自分の気持ちを伝えることが大切です。
この、適切な自己表現のことをアサ-ションと言います。

4.自己表現の4つの方法とその事例

では、ここで私たちが人とのかかわりにおいて、いかなる態度で自己主張をするか、その4パタ-ンについて簡単に書きます。

1、直接攻撃的
常に相手を攻撃して自己主張をする人です。

2、間接攻撃的
自己主張をする際、同意したように、または自分が悪い振りをしながらも、相手に罪悪感を抱かす自己主張です。

3、非主張的
自己主張をしません。常に我慢をし続けます。

4、適切な自己表現(アサーション)
自分も大切に、相手も考慮した自己表現を行います。

では、この4つのパタ-ンをもとに2つの事例をみていきましょう。

事例1
今日はあなたの誕生日です。しかし、パ-トナ-はあなたの誕生日をすっかり忘れているようです。
プレゼントもお祝いの言葉もかけてくれません。

1、直接攻撃的
今日は私の誕生日。忘れたの?
プレゼントはないの?
いつもながら忘れることにかけては天下一ね。

2、間接攻撃的
今日は私の誕生日だったのに忘れたのね。
どうせ私は誕生日を祝ってもらう価値のない人間ですから、いつもいつもそう。慣れています。

3、非主張的
何も言わない。

4、適切な自己表現(アサーション)
今日は私の誕生日。覚えてる?
(ここでは相手に対して覚えていると投げかけて、相手の言葉を待っています)。
そして、相手の反応に合わせて、お祝いして欲しかったこと等相手を責めることなく自分の気持ちを伝えます。

例えば「忘れられたのは淋しいけど、また埋め合わせしてね」。
⇒自分の気持ちを正直に相手を責めることなく、サラリと伝えることが出来ます。

事例2

職場で同僚より仕事を手伝って欲しいと言われました。
しかし、あなたの仕事量は手一杯で応援する余力はありません。

1、直接攻撃的
私は今忙しいの。見て分からない?

2、間接攻撃的
手伝うことは出来ますよ。でも、またひとつ急な仕事が増えて大変。
(ため息を効果的に使います)

3、非主張的
「はい」と断ることが出来ず引き受けます。

4、適切な自己表現(アサーション)
ごめんなさい。今仕事が一杯で手伝えません。また、手が空いたら声をかけます。

どうでしょう。
あなたの自己主張パタ-ンは4つのうちどれですか?
最も活用したい理想的なパタ-ンはどれですか?

やはり適切な自己表現、アサ-ションを用いた自己表現ではないでしょうか。

では、他の3つの自己表現について各々問題をみていきたいと思います。

5.アサーション以外の自己主張の問題点

1 直接攻撃的
相手を責める行為を常にしていますと周囲からは恐がられるでしょう。
また、恐がらせている相手は我慢しているわけですから、いつ逆襲されるか分かりません。
いずれにせよ、人間関係を築くのは難しいと思います。

2 間接攻撃的
この態度を取りますと、一見相手からすると、おとなしく頼みやすい相手のように思われます。
しかし、何かある都度、相手に罪悪感を抱かすような態度を取り続けますと、相手はそれを不快に感じます。

また、罪悪感とは相手を操作することが可能です。
何か頼みごとをしても、「自分は忙しいけれど、仕方がないから引き受ける」と、相手に罪悪感を抱かす態度で接しますと、相手は自分が悪いことをしたのかなと、頼みごとを引き下げることも考えられます。
これは、罪悪感による相手の行動を操作したことなのです。

3 非主張的
何事も要求しない、拒絶しない態度で日々過ごすとどうなるでしょうか。
これは我慢、抑圧の世界です。

しかし、人は完全にすべてを抑圧し続けることは出来ません。過剰な抑圧は怒りに変わります。
何かの拍子に人に対して激しい怒りをぶつけるかもしれません。
俗に言う、切れるということです。

また、怒りが外部に向かない場合は自分自身に向き、鬱病を始め、身体、心理状態に負荷がかかるかもしれません。

いずれにせよ、自分を大切に、かつ相手の感情も尊重をした主張をしないと、人間関係はもとより、自分自身にも不都合が生じるのです。

アサ-ションとは人間関係を築くうえで大切なものなのです。

さて、以降し、意識してもアサ-ションが出来ないことについて書きたいと思います。

前回、適切な自己表現、アサ-ションについて書きました。
アサ-ションとは自分の気持ち、感情、意見を大切に、かつ、相手にも配慮をして自己主張するものです。

そして、この場合優先するのは、まずは自分です。
自分を最優先してかつ、相手にも配慮するのです。

そして、アサ-ションとは対人スキルです。いかに話すか、受け答えをするか、スキルは意識することにより、訓練により、必ず獲得出来ます。

人との人間関係を豊かにするため、スム-ズに進めるためにアサ-ションは必要不可欠ですが、アサーションスキルを獲得していても、スキルを発揮出来ず、アサ-ションが出来ない場合があります。

それは、なぜでしょうか。
以下にその理由を見ていきたいと思います。

適切な自己表現・アーサションが出来ない問題点について

Index
1.自分の感情、気持ちを分かっていない
2.人に対する共感能力を培っていない
3.自分を優先する気持ち、大切にする気持ちを持っていない
4.アサーションスキルを発揮することにOKを出していない
5.全てに対して適切な自己表現アサーションを行う必要はない

1.自分の感情を分かっていない

アサ-ションとは自分の感情や気持ち、意見を大切にして、かつ、相手の感情も大切にして、人と接するスキルです。

しかし、自分の感情、気持ち、意見等について、自分が何を感じ。何を思っているのか分かっていないと、当然相手に何を伝えていいのかも分かりません。
したがって何を表現していいのか分からず、適切な自己表現、アサ-ションは出来なくなるのです。

2.人に対する共感能力を培っていない

アサ-ションとは相手の気持ちを配慮して行います。
したがって相手の気持ちを感じとる能力がないと出来ません。

例えば、パ-トナ-から映画に行こうと誘われましたが、都合が悪く一緒に行くことが出来ません。

ここでアサ-ションを用いて映画の誘いを断る場合は、「映画を断ったらがっかりするだろうな」という共感能力が必要です。
⇒「がっかりさせてゴメン」等、断られたパ-トナ-の気持ちを感じながら自己主張をする必要があるのです。

したがって、ある程度共感能力を培っていないと、適切な自己表現、アサ-ションは難しいと思います。

3.自分を優先する気持ち、大切にする気持ちを持っていない

アサ-ションとはまずは自分の気持ち、意見を大切に優先することを前提として行います。

したがって、自分を優先することが出来ず、他者の気持ち、意見を先に優先してしまいますと、適切な自己表現、アサ-ションは出来なくなってしまうのです。

この場合どうして他者を優先してしまうのか、考える必要があります。
他者の気持ちや意見を優先するということは、それを叶えるために、自分を抑える、自分を軽んじることにつながります。

4.アサーションスキルを発揮することにOKを出していない

アサ-ションのスキルはあるのだけれども、スキルを発揮する勇気を持っていないのかもしれません。
それは、何かに遠慮をしているのでしょうか。
または自己主張することで嫌われることを恐れているのでしょうか。

この場合もなぜ、自分がアサーションのスキルを発揮出来ないのか、何をためらっているのか、自分を見つめなおす必要があるでしょう。

以上、アサ-ションのスキルの発揮を抑えていることについて4つ書いてみました。

さて、このアサーションですが、すべての人に対して行う必要があるのでしょうか。

5.全てに対して適切な自己表現(アサーションを行う必要はない)

アサ-ションの基本は自分を大切にすることです。
そして、相手にも配慮をします。

したがって、コミュニケ-ションの相手にも自分に対して配慮をしてもらう必要があるのです。
しかし、人によっては、こちらの気持ちを無視して、自分の意向のみズケズケ言ってくる人もいます。

このような人たちにアサ-ションを心がける必要があるのでしょうか。

私は必要ないと思います。

私自身生活をしている場において、すべての人に対してアサ-ションをしているわけではありません。
人によって使いわけています。

挨拶をするだけの人もいます。
コミュニケ-ションをほとんど取らない人もいます。
用件のみの会話の人もいます。
それでも困りません。

いくらこちらが、相手の気持ちに配慮をしてアサ-ションを行ったとしても、相手がそもそも、その気持ちを持っていなければ、自分がしんどい思いをするだけだと私は思うのです。
だから、この人たちとは適切な自己表現、アサ-ションではなく、必要最低限しか話さないのです。

どこまでの人たちに対してアサ-ションを心がける必要があるのか、人によって様々意見があると思います。

いずれにせよ、重要なことは自分を大切にすることだと思います。

カウンセリングにおいても、適切な自己表現、アサーションは教えて頂けると思います。
ご活用ください。

以下、アサ-ションについてお勧めの本。

平木 典子 著
アサ-ション・トレ-ニング
(株)日本・精神技術研究所 発行
(株)金子書房 発売

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