人と仲良く・親しくなるために相手の存在認知とコミュニケーション
前回よりアサ-ションについて書いてきました。
アサ-ションは適切な自己表現であり、人との関係を築くのには大変重要です。
そして、人との関係を築くゴ-ルには、「仲良くなる」、「親しくなる」ということがあると思います。
実はカウンセリングをしていますと、「人と仲良くなれない」という悩みで来談される方が結構おられます。
では、人と仲良くなるとは、どういうことを指すのでしょうか。
Index
1.人と仲良くなるとは、どのような関係性
2.人と仲良くなるために大切なこと
人と仲良くなるには相手の存在を認める大切さ
これには、自分が思ったことを素直に話す、相手の話しをきちんと聞く、自分の意見を言う、人を笑わせる、会話をリ-ドする、場を盛り上げる等、人様々あると思います。
私個人として、仲良くなるとは何かと考えますと。
「お互いが自分の気持ちに正直に話し合える関係」と思います。
これはお互いが思っていること、考えていること、感じていることを、率直に正直に話し合える間柄と言葉を変えてもいいと思います。
自分の話しをする、相手の話しを聞く、お互いの違いを認め合うことが不可欠です。
そして、上述の人を笑わせる、会話をリ-ドする、場を盛り上げる等については、自分が率先して人の輪のなかで行う行為ではありますが、そこには心の交流があまりなく、ただ楽しく騒ぐだけの関係のような気がして、私にとっては興味のない人との関わり方です。
では、今回の「人と仲良くなる」というテ-マを書き進めるにあたっては、「お互いが自分の気持ちに正直に話し合える関係」、「お互いが思っていること、考えていること、感じていることを率直に正直に話し合える間柄」をポイントとして書いていきたいと思います。
1.と仲良くなるために大切なこと
相手の存在を認めること(挨拶と雑談)
それでは、まず人と仲良くなるために、1番大切なことは何でしょうか?
私は、「相手の存在を認める」ということだと思います。
そして人の存在、相手の存在を認めるために一番大切な行いは?
挨拶です。
挨拶が出来なければ、挨拶をしなければ、相手の存在を無視していることにつながり、そこから人間関係の発展性はありません。
では、挨拶をしたあとさらに人間関係を深めるためには何が必要でしょうか。
それは雑談です。
おそらく多くの方は、挨拶は出来るのだけれども、この雑談が難しくて悩んでおられるのではないでしょうか。
そして、この雑談にも様々あります。
あたり障りのない話しから始まって、趣味の話し、共有出来る話題の話し、悩みの話し等、雑談の深さは、自己開示の程度と、それと並行する付き合いの程度により様々です。
では、人と仲良くなれないと悩まれている方は、どの程度の内容の雑談が出来なくて悩まれているのでしょうか。
よく雑談が出来ないと言われる方の共通の悩みとして、「コミュニケーションが続かない」ということがあります。
コミュニケーションが続かない問題に対しては、以下のことが考えられます。
人と仲良くなるために(コミュニケーションの問題)
Index
1.相手の話しを聞くスキルを持っていない
2.自分が話すこと・自己開示をためらう
3.自分が話すことばかり考えてコミュニケーション1人相撲を取っている
4.話しが合わない価値観が違い過ぎる
人と仲良くなるために必要なことは、相手の存在を認め、そしてお互いが自己開示を行い、お互いが知り合うことが大切です。
自己開示とは自分の趣味、思っていること等、自分とは何者であるかの情報を相手に提供することであり、自分を知ってもらうことでもあります。
そして、相互に自己開示をするためには、お互いのコミュニケ-ションが必要になってくるのです。
1.相手の話しを聞くスキルを持っていない
「話し上手は聞き上手」と言われています。
コミュニケ-ションの基本は、相手の話しを聞くことなのです。
相手がせっかく話しを始めても、自分がその話しを受け止めないと、相手は一方通行のコミュニケ-ションをしてしまい、話し始めたことを不本意に感じてしまうでしょう。
したがって話しを聞く側としては、話しをしている相手が話しを続け易い、雰囲気をつくってあげることが大切です。
これは、「いかに相手の話しを聞くか」ということです。
話しを聞くために大切なことは、相手の立場に立ち、伝えたい内容と意味の把握、またその時の気持ちを感じてあげ、そして、さらに話しを促進する対応力です。
大切なことは、まずは相手に話してもらうということなのです。
相手は何らかの目的を持って話し始めたのですから、その目的を達成させてあげることです。
きちんと受け止めて話しを聞いてあげれば、話し手は興味を持って、話しを聞いてもらったことに満足を覚えるはずです。
自分を受け止めてもらっている、自分の自己開示をした目的を果たすことが出来、話しを聞いてもらった人に対して好意を持つと思います。
2.自分が話すこと・自己開示をためらう
人の話しを聞くことは出来るのだけれども、自分が話すのは苦手と言われる方がおられます。
自分が話すことが苦手とは何を意味しているのでしょうか
a)話すスキルに自信がない
b)話す話題がない 何を話して良いのか分からない
c)話したあとの結果を気にし過ぎる
a)話すスキルに自信がない
私たちが自分のことを話す際に大切なことは何でしょうか。
人によっては相手が興味をひくように話すこと、おもしろおかしく話すこと、理路整然と話すこと、簡潔明瞭分かりやすく等、様々な答えがあると思います。
しかし、私は自分が話しをする際に大切なことは次の1つだと思っています。
「自分に正直に、一生懸命に話す」ことです。
人によっては物凄く話し上手な人がいます。
それはそれだけのスキルがあるからです。
でも、そこまでのスキルがなくても「自分に正直に、一生懸命に話す」ことは誰にでも出来ます。
今出来ることを精一杯すること、今の自分のコミュニケ-ションスキルを受け入れ、ありのままの自分を表現するのです。
コミュニケ-ションはスキルでもあります。
スキルは経験、磨けば上達します。
したがって、スキルに自信がなくても、コミュニケ-ション、会話を促進することによって上達出来るのです。
逆にスキルがないからと、コミュニケ-ションを避けていては上達しません。
b)話す話題がない・何を話して良いのか分からない
私は私自身趣味がなく、興味の範囲も狭い人間だと思っています。
カウンセリングや心理学の勉強には時間をかけますが、それ以外のことにはあまり興味がありません。
したがって人と話す際、話す話題がない、何を話して良いか分からないと感じる時もあるのですが、本当に何も話す話題がないのでしょうか?
いいえ、違います。
今まで生きて体験したこと、最近のニュ-スを見て思ったこと、感じたこと等、話す話題については、いろいろと持っているはずです。
話す話題がないと主張される方は、自分が話す話題が相手に気に入られるだろうか、興味を持って聞いてくれるだろうかと考え過ぎているのかもしれません。
または、こんな話しをしてもいいのだろうかと、申し訳ないという気持ちもあるのかもしれません。
話しをするのに迷うことはありません。
「自分に正直に、一生懸命に話す」ことが大切なのです。
c)話したあとの結果を気にしすぎる
自分が話すということは、話した内容に対して、自分がそれをどう感じたのかということを、開示する必要が出てくる時があります。
したがって、自己開示を伴います。
しかし、人によっては自己開示をした後、相手からどう思われるかが気になって、自己開示が怖いと、言われる方もおられます。
しかし、相手がどう思うかは、これは相手の反応責任であり、話し手の責任ではありません。
話したあとの結果、相手の反応を気にし過ぎる人は、どこからどこまでが自分の責任か、きっちりと境界を考える必要があります。
3.自分が話すことばかり考えてコミュニケーションの1人相撲を取っている
コミュニケ-ションは話し手と聞き手がいて成り立ちます。
しかし、人が話している時に自分が何を言おうかと考えていては、相手の話しをきちんと聞いておらず、すれ違いのコミュニケ-ションに陥ってしまうかもしれません。
また、自分が話すことに夢中になってばかりいて、話しを聞いてる相手の反応を無視しても、すれ違いのコミュニケ-ション、または相手を無視したコミュニケ-ションとなってしまうのです。
自分が話す時は焦らず、相手の反応を確認しながら、ゆっくりと進めていきましょう。
4.話しが合わない価値観が違い過ぎる
人は様々な価値観、興味を持って生きています。
人によってはまったく価値観が正反対で、話しをしても理解出来ない人もいます。
それは、それでいいのです。
とりあえず話しはお互いにして、分かりあえない部分はそれはそれで置いておきましょう。
自分を100%理解してもらおう、受け入れてもらおうと、我を強く出しては逆効果です。
これは、相手からすると価値観の押し付けであり、否定と攻撃とも捉えかねません。
大切なことは、自分も相手も大切にしたコミュニケ-ションであり、自分を100%認めてもらうことではないのです。
これは、自分の主張を大切に、かつ意見の違う相手も認め、大切にすることなのです。
違いは違いであり、間違いではありません。
そして、多くを期待しないことも大切かもしれません。
さて、ここまでは話しを続けるためには、そして続かない原因等について書いてきました。
再三書いていますが、人と仲良くなるためには、自己開示、自分とは何者であるか、自分の情報を開示する必要があります。
しかし、人によっては開示した情報に反応されない方もおられます。
これは相手の反応問題であり、自己開示をした側の問題ではありません。
人と仲良くなること、親密化の過程は様々です。
様々なことを共有(話題、趣味、価値観等)したり、更には悩みの相談と、共有出来る範囲は、親密の程度と比例していると思います。
そして、深い親密を図るためには、お互いの自己開示と相互理解が何よりも必要なのです。
そして、最後に。
自己開示をするためには、自分が何を思い、何を考え、何を感じているか、自分が自分を理解している必要があります。
しかし、生育歴等の影響でしょうか、自分を抑えてばかりいる人は、自分が何を思い、考え、感じているかを感じにくくなっている人たちがおられることも事実です。
これは、常に自分を抑え続けてきたことが原因だと思います。
ただ、自分を抑える習慣がついているだけです。
自分を解放出来れば、自分が何を思い、考え、感じているか。
必ず回復します。
カウンセリングは、人と仲良くするための方法とコミュニケーション、そして、自分が何を考えている等の問題解決に役立つでしょう。