自分に対する不適応
自分が自分に不適応とは、自分が自分を受容していないこと
私たちが生きていくうえで大切なこと。
それは、「自分が自分を信じる」「自分が自分を信頼する」ということだと思います。
これは感覚的なものであり、言語で説明することは難しいです。
「自分を信じる」「自分を信頼する」という根底には、「自分はOK」であるという感覚が存在しています。
すなわち、「自分はNO」ではないのです。
「自分はOK」、これは自分が自分を認めていることです。
「自分はNO」、これは自分が自分を認めていません。
さて、私たちが生きていくうえで、良好な人間関係を築くことは欠かすことが出来ません。
良好な人間関係を築くためには、「自分が自分をどう評価しているのか」という問題と、「人間関係を築くスキル(学習)」の問題が存在します。
自分に対する不適応の観点から考えますと、「自分が自分をどう評価しているのか」ということが焦点となります。
すなわち、「OK」or「NO」。
「自分はOK」の感覚とは自分を認める、自分を信頼するということですので、他者との関係性において、自分がどう評価されているかを過剰に気にすることはありません。
まずは自分が自分を評価しているので、他者の評価をあまり気にする必要はないのです。
対人不安の方は他者からどう思われているかを過剰に気にします。
これは自分が自分を評価しておらず「自分はNO」の感覚を持っており、自己評価の基準をすべて他者に委ねているため、他者からの評価を過剰に気にすることになるのです。
自分が自分を認めないということは、自分に対する不適応であり、自分の中に、自分の居場所がないと言ってもいいと思います。
なぜなら自分のことを認められるのは基本的に自分だけなのですから。
その自分が自分を認められないということは、自分に対して不適応をもたらすのです。
また、自分に対して不適応ということは、自分の中に自分の居場所がないということですので、その自分の居場所を他者の中に見出そうとします。
この典型的なパターンが、他者評価を過剰に気にする問題。
認めてもらいたい症候群となります。
また、自分の居場所がないことより、人に寄り添ってもらいたい。
自分の居場所を他者の中に見出す、依存の問題へ発展する場合もあります。
恋愛依存、共依存は、この問題の典型かもしれません。
また、自分の心の中に自分の居場所がない人は、「淋しい」という言葉を口にすることが多々あります。
自分の心の中に穴が空いたような感覚であり。
その穴を誰かに満たして欲しいのです。
その穴を満たすために、他者に認めてもらいたい、他者を必要とするのです。
自分に対する不適応。
不適応の根源は自分が自分を認めていない、評価していないことです。
「自分はNO」。
ですから、自分が自分の中にあるべき、自分の居場所がないのです。
これは言葉を換えると、自分が自分を受け入れていない、自己受容の問題でもあります。
自己受容が出来ていない心の問題を抱えますと、他者からの受容を過剰に求めてしまいます。
自分が自分を認めていないと、自分を信じ、信頼していないと、他者との良好な関係を築くことが難しく、認めてもらいたいことに気を遣い過ぎ、心が疲れ、ストレスも相当なものではないでしょうか。
自分に対する不適応の問題の改善は、自分を認めることです。
そして自分の中に、安全な自分の居場所をつくり、自分と適応するのです。
その為には、自分が自分を評価する基準、自己評価基準を下げ、今の自分を受け入れる必要もあるでしょう。
さらに、他者の評価を気にしない、良好な人間関係を築くことに力を注ぐことにより、自己効力感を持つことも出来るでしょう。
そうすることで、自分に対する自信や自己信頼感を獲得出来、「自分はOK」の感覚を持つことも出来ると思います。
生きるうえで大切なこと。
自分を認めること。
自分を受容すること。
自分に優しくすることです。