親の信念・べき論は子供を不幸にすることがある|解決策は親子分離

アダルトチルドレンのカウンセリングを受け賜わっていますと、クライエントの方が親の思い、信念に縛られていることが多々あります。

例えば、親の子に対する、「仕事は辞めてはいけない」、「離婚してはいけない」「、大学には進学しないといけない」、「芸能人を目指してはいけない」等々です。

そして、これらの信念に含まれる共通は、「～～しなければいけない」という強制、「～～してはいけない」という禁止です。
（「～～しなければいけない」の場合は他の選択肢を否定しますので禁止も含まれます）。

果たしてこれらの信念は妥当なものなのでしょうか？

親の子育てに対する信念は本当に子供の為を思ってのことでしょうか

Index
1.親は子供の幸せを願い信念を持つのか
2.親は子供を通して不安と直面することを避ける為信念を持つことがある
3.子供を不幸にする親の信念の解決策は親子の分離

1.親は子供の幸せを願い信念を持つのか

親の信念の根底には、親として、子供の幸せを願ってという思いがあると思います。

例えば「仕事を辞めてはいけない」。
子供が仕事を辞めますと当然子供は無収入になります。
生活出来ない、次の仕事はあるのか等々・・・。
子供のことを思っていると言えます。

「離婚してはいけない」。
特に娘の場合離婚してしまったら、まして子供がいるのに。
収入は、孫はどうなる、娘はもう再婚出来ないのではと、将来を考えるわけです。

確かに「退職」「離婚」は人生の大きな問題です。
今後の不安が生じるのは当然です。

親が子供に対して心配心を抱くのも当然でしょう。

2.親は子供を通して不安と直面することを避ける為信念を持つことがある

さて、アダルトチルドレンの親は子供との距離が近すぎる場合があります。
近すぎるというよりも、子供をのみこんでしまうぐらいの勢いがある時もあります。

「退職」「離婚」。
親は子供のことを思い、子供の将来に不安を感じると言いますが、自分が不安を感じるのが嫌なために、「仕事を辞めるな」「離婚するな」と言っていないか、これは検討する必要があります。

書きすすめますと、親の「～～こうあるべき」は、親の心の安定の為に存在し、親の「～～あるべき」に従っている限り、親は子供の人生から不安を感じることがなく、自分の心が、安心を保てるという場合です。

したがって親の「～～あるべき」から子供が逸脱行為をすると、親の設定する安心なコースをはずれたことになり、不安を感じるのです。

では、これは誰が何の為に抱いている不安か？

それは親自身が、子供の人生を支配、その支配より子供がぬけることに抱いている不安なのです。

なかなか、ここまで自分の心が分かる親はおらず、子供が「仕事を辞めるから」、「娘が離婚するから」不安なのですと言われます。

もし、子供が親の「～～あるべき」から外れ、子供が退職、離婚等を実行すると

「もうこの息子は生涯再就職出来ない」。

「娘は母子家庭で一生貧乏」。

親は自身の抱く不安感から、勝手に子供の将来を予想され、そして、自分勝手な悲観的な子供の将来を描き、自分が作った、勝手な子供の将来像に苦しむのです。

自分が作りあげた不安、悲観的な将来像に、自分が煩わされ、支配されるのが苦痛なので、子供に対して過度の、べき論を課し、子供の行動に強制、禁止を求めることもあるのです。

そして、自分の心が安心安定でいるために、子供に対して「仕事を続けなければいけない」、「夫婦生活を続けなければいけない」と、自分の信念を押しつけることになるのです。

しかし、子供からしたらこれは迷惑です。
親の信念に人生を縛られるわけですから、親に潰されることになりかねません。

3.子供を不幸にする親の信念の解決策は親子の分離

さて、この親の禁止を含む「～～しなければならない」、「～～してはいけない」。

一体誰を幸せにするものなのでしょうか。

親は自分の心の安定安心の為に子供に信念を課し、その、信念から子供が外れた行動を取ると、子供に対して悲観的な将来像を勝手に描き、不安から苦しみます、

子供は親より自分の望む人生の方向を否定され苦しみ、または、親の信念に従い、現状維持を選択することにより苦しむこともあります。

この問題。
解決策は・・・。

親と子の完全なる分離です。
親は親の人生を歩む。
子供は子供の人生を歩む。

そして、自分の人生の選択責任、行動責任は自分がとるのです。

子供は自分の選択した人生の責任を取る。

親は自分の感情反応の責任を取る。
でも、そのためには、親自身がカウンセリング等を受け、自分自身の抱くべき論の再考、自身の人生を振り返ることをしなければならないでしょう。

大切なことです。