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強固な自己否定・自分はダメという思い込み

カウンセリングを受け賜っていますと、自分を否定し責め続けてしまう、自己否定の悩みについて受け賜ることがあります。

では、自己否定とは自分の何を否定して、自分を責め続けてしまうのでしょうか。

一番多い内容は、自分が行った行動行為結果について否定する、そして、自分自身に対する否定です。

とにかく自分を認めようとしないのです。
自分が頑張って出した結果について認められない。
そして、自己の存在さえ否定しようとされるのです。
(自分なんて必要のない人間だ等)。

本当は自己否定で悩まれている方も、そこまで自分を否定する必要はない。
自分にも良い点は多々あると、認識されているとは思いますが、どうしても、自己に対する否定が優先してしまい、それが、生き辛さを招くのです。

しかし、自分では、そこまで自分を否定する必要はないと意識化出来ているのに、なぜ、自己否定は止まらないのでしょうか。

無意識の思い込みでしょうか?
脳機能の問題。
脳のクセでしょうか?

それでは、自己否定について、私の考えることを書き綴ります。

目次

強固な自己否定の症状と問題と解決に向けてアドバイス

1.自己否定の症状

a)自分の欠点を探し続け自分を否定し続ける

日々、自分の出来ていない点、他者と比較して劣っている点ばかり探し続け、自分が自分を否定し続けます。
もちろん、何らかの作業、仕事中は、そのことに意識が集中してるで、自己否定も弱まっているでしょうが、余暇の時間等、本来、リラックス出来る時間に、勝手に自分を責め続け、自分で自分を惨めに追い込み、生き辛さをもたらします。

b)褒め言葉を受け取らない

自己否定が強いと、他者からの褒め言葉を受け取ることが出来ません。
それは、他の人が出来ていることを、自分が出来るのは当たり前、褒めてもらっても嬉しくないのです。
もともと、自己否定意識が強い人は、他者のプラスの言葉さえ受け取ることを否定する傾向があります。

しかし、これでは、自己否定の改善に向かわず、他者のプラスの言葉、褒め言葉さえ受け取らないのですから、自信や自己肯定感の問題にも影響するでしょう。

c)自分に対する否定 ダメという思い込み

自己否定で悩む方は、改善に時間がかかると考えています。
それは、自己否定で悩む方が、自分に対する否定、自分はダメだという思い込みが強すぎるからです。

思い込みは身を亡ぼすと言われていますが、強い自己否定は、自分で自分を否定し続け、自己の存在の疑問(自分は生きていいていのか?)、この問題にも発展する可能性があります。

d)他者を否定して悪口を言う

自己否定の強い人は、自分はダメな人間と思い、自分を認めません。
これは、大きな心の問題です。

そして、人とは不思議なもので、心に問題を抱えると、その問題を解決する為(自己防衛手段)を取ることがあります。

これは、心の均衡、心のバランスより得られるものですが、この心のバランスを得る為には、他者を否定する行為が必要となってくることもあるのです。

自分が自分を否定し、そして、自分が他者を否定。
全ての人間を否定することにより、心の均衡、バランスが取れるのです。

また、自己否定の強い人は、常に自分はダメというストレスにもさらされています。
この、ストレス解消には、他者の悪口、愚痴を発信することにより、自分が自分を認められないストレスを解消出来るのです。

すなわち、他者を認めず、自分がダメという心の問題を、一時的ではありますが蓋をしてしまうのです。

但し、自己否定で悩む全ての人が、他者を否定して悪口を言うことで、心の防衛をしているわけではありません。

他者を羨み、自分を否定し続け、自分の心の傷を広げる一方の方もおられることでしょう。

2.自己否定の発症原因について

自己否定の発症、原因は何でしょう。

自己否定の心の問題の中核は、自分はダメ。

すなわち、劣等感です。

では、なぜ、劣等感を持つに至ったのでしょうか。
考えられる一番の原因は、子供時、何をしても親から認めてもらえず、逆に否定され責め続けられたことがその要因の1つと思います。

頑張って結果を出しても100点でないからダメ、100点の結果を取ってもほめない(当たり前)、常にあらさがしばかり、ダメな点ばかりを強調して怒る等、度重なる親や養育者からの徹底した否定が、自分自身に染み込んでいるのでしょう。

また、兄弟や、誰かとの比較も劣等感の基となります。

そして、学校における差別、仲間外れも、劣等感や、自己存在の否定感を招き、強固な自己否定に発展する可能性もあります。

さらに、子供時、学校等で問題はなくても、何かの時に、自分の行ったこと、述べた一言で、他者から笑われた、バカにされたような態度を取られたことで、自分の心が傷つき、他者に心を開くことが怖くなり、その延長から、自分はダメという思いが強くなり、自己否定が強くなることもあるでしょう。

3.強い自己否定は他者からの否定を招き嫌われることもある

強固な自己否定の方は、自分が自分を否定しており、自然体の自分では、他者に受け入れてもらえない、否定されると思い込まれておられます。
そこで、他者に受け入れもらうため、または、自分の心が傷つかないために、2つの戦略、方法を取られます。

a)他者に合わせる

自分が自分でいては否定される思いから、他者に合わせることを優先されます。
その結果、自分の思っていることが言えなく、他者に合わせることに重きを置き過ぎた結果、他者の望むことは分かっても、自分が何を望んでいるのか分からない、自己喪失感をもたらします。

b)心を閉ざす

自己否定が強いと、他者からの否定を極端に恐れ、他者に対する心を閉ざしてしまいます。
その結果、コミュニケーションがうまく取れない、意思表示が苦手、人を寄せ付けない雰囲気を出してしまうのです。

さて、いずれにせよ、他者に合わせ過ぎても、自分の心を閉ざしても、他者からすると、自分の意見のない人、迎合ばかりする人、心を開かないことより打ち解けられない人、何を考えているか分からない人、さらには、他者を寄せ付けない雰囲気を出していると、それも他者に伝わり、関わりたくない人等、思われていしまいます。

結果として、強固な自己否定から、社会で他者と生きていく為の戦略(方法)は、他者から見ると、不自然であり、恐れていたことが現実になります。

それは、他者からの否定、蔑視、嫌われること可能性もあるということです。

4.自己否定と強迫性障害の類似点(脳のクセ)

さて、私は幼少期から強迫性障害を患っています。
主に不安を起因として、不安なことを考え過ぎてしまう症状です。

そこまで、不安を考える必要もなく、バカバカしいと思う不安も多々あるのですが、どうしても、リラックスした状態の時等、勝手に脳神経が動くようで、考えまい、考えまいと、思えば思うほど、強迫性障害は酷くなります。

これは、脳機能、脳のクセのようなもので、ずっと、不安を主として考え過ぎた結果、不安を考え過ぎる脳回線が強化され、勝手に動いてしまうのだと、私の経験上考えています。

そして、強固な自己否定も、強迫性障害と同じようなことが、脳内で起こっているのではと考えています。

自己否定の強い人も、自分には良い点もあり、そこまで自分を否定する必要はないと思われている方も多いのではないでしょうか。

分かってはいるけれども、自分の欠点や、嫌な点を探し続ける、考え続ける点においては、強迫性障害の不安なことをバカバカしていと思いながらも考え続ける点と、類似しているのです。

こう考えると、強固な自己否定も、分かってはいるけれども、脳が勝手に自己否定を促進する、脳回線の問題、脳機能の問題、脳のクセと思われてもいいのではないでしょうか。

私の強迫性障害は幼児期の頃に比べて、随分と弱まっています。
防ぐ方法を身に付けたのか、加齢によるものかは分かりませんが

脳回線、脳が変わったのでしょう。

そうです。
脳は強化する部位を強めれば、変わることが出来るのです。
すなわち、他のことを考える部位を強化することにより、自己否定を考える脳回線の部位の働きは弱められるのではないでしょうか。

したがって、自己否定からの解放、脱却も脳を変えることにより、可能であると考えます。

注)強迫性障害は精神疾患ですが、自己否定は精神疾患ではありません。

5.自己否定・改善に向けてのアドバイス・客観性

それでは、強固な自己固定からの解放、改善に向けた、私からのアドバイスを記載します。
基本的には、否定について考えないことですが、それを、どのようにして実行するかがポイントとなります。

a)気分転換

自己否定を考え出した時、何か気分を転換出来る方法を、10通り程事前に用意。
その時々に応じて、その方法を試みることです。
それでも、自己の否定を考えるかもしれません。
それは、それで放っておいて、気分の良いこと、気分転換をするのです。
要はエネルギー分散です。

b)軽い運動

自己否定は脳内にて起こっています。
日々、軽い運動を定期的に行い、体にもエネルギーを送ることは、脳内にてエネルギー消費することに対して、何らかに有効に働く可能性があります。

c)熱中する何かを持つ

全エネルギーを熱中する何かにぶつけるのです。
熱中すると、嫌なことは、考えにくくなります。
私も経験しています。

d)呼吸に注意

嫌なことを考えている時、呼吸は浅くなっていませんか?
呼吸に注意をして、自己否定を強く考えはじめた時、深呼吸を数回することもいいかもしれません。

また、深呼吸時は出来る限り、穏やかな気持ちで行ってください。
その後は、気分転換、何かに熱中等も良いでしょう。

e)他者に親切にする

可能な限りで大丈夫です。
無理は禁物。

他者への親切は、自分の気持ちも良くなり、また、他者からの心のこもった、「ありがとう」は、自分自身の心の豊かさにも伝わり、自己肯定感等にも影響するのではないでしょうか。

決して、自己否定を治すために、戦略的に他者に親切にしているとは思わず、軽い気持ちで行いましょう。

また、他者への親切は他者受容につながり、他者受容から自己受容へと展開する場合もあるでしょう。

f)他者の褒め言葉は素直に受け取る

自己否定の強い人は、他者の褒め言葉を素直に受け取ることが難しいと思われます。
それは、常に自分が自分を否定しているので、その自分を他者が褒める等、どんなお世辞であろう等解釈されるのです。

でも、考えてください。
そんなに、日々、他者からの「ありがとう」の言葉は頂けませんよ。

他者からの感謝、褒め言葉は素直に受け取りましょう。

g)客観性 客観力を養う

自己否定の強い方は、主観的な見方で、自分で自分を否定のループに追い込んでいきます。
しかし、その否定のループ、そこまで自分を否定する程のことなのでしょうか。

主観的な、思い込みで、自己評価を下げ、自己否定へと、グルグル回っているのではないでしょうか。

その時々の行為を振り返り、評価されるとは思いますが、客観性、客観力を培い、その時々の良かった点も洗い出し、過小評価しないようにしましょう。

h)今日の良かった点のみノートに記録する

人は誰でもそうですが、ネガティブなことを記憶することに力を発揮します。
人とは誰でポジティブなことを強く記憶すればいいのにと思いますが、どうも、人の脳は、嫌なこと、ネガティブなことに対する記憶力が強いようです。

したがって、良かったこと、努力して成果を出したこと、褒められたこと等、ポジティブなことは忘れがちです。

今日の良かったことのみ、記録しましょう。

そして、自分は自分が考えている程、否定される人間ではないことを認識しましょう。
注意点は、良かったことのみ記録することですよ。

i)自己受容

「否定」の反対は、どのような言葉でしょうか?
「受容」です。

実は、自分のことを最も大切に受容出来るのは、自分自身なのです。

自己受容を第一と考えると、結果が良くても悪くても、結果を否定して自分を責め続ける問題は生じません。
自分が自分を受け入れているから、最善を尽くして行ったことに対して、結果が良くても悪くても、それを受け入れることが出来、自己否定に苦しむことはないのです。

結果が良かったら喜び、悪かったら反省。
少しガッカリはするでしょうが。
「まっ、いいか」となります。

それは思ったような結果を出すことが出来なくても、頑張った自分を認めることが出来、今回、思うような結果が出なかった場合は、客観性に基づき反省を行い、反省点を次回に活かせば良いだけのことなのです。

したがって必要以上に自分を責めることはなく、自己否定に走らなくても良いのです。

さて、これらのことを続けてみて、自分が自分を否定する、脳のクセが取れれば良いかなと思い書かせて頂きました。

効果は保証出来ませんが、何事も否定から入らず、ちょこっとチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。

最後になりますが、自己否定は、真面目、几帳面な性格、完璧主義的な性格特徴、価値観も影響しているかもしれません。

心理オフィスステラでは、強固な自己否定のカウンセリングは受け賜わっておりませんが、心理カウンセリングも、自己否定からの解放、改善には役立つかもしれません。

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