良好な夫婦関係|存在の尊重とコミュニケーション
夫婦が良好に、その関係性を維持するためには、何が必要でしょうか。
そもそも、夫婦とは他人が一緒になり、夫婦となります。
もともとは、他人同士ですので、繋がりは、薄いのです。
その繋がりの薄い、夫婦関係をいかに、繋がりの濃い関係性にするか。
この点が最重要ではないてじょうか。
では、その為には、どうすれば良いのか考えていきたいと思います。
A・良好な夫婦関係形成のために
1.夫婦(お互いがお互いを認め合う尊重する)
本来、いかなる人間関係においても大切なことが、コミュニケーションです。
コミュニケーションを重ねることにより、お互いを知ること、理解するすることが、人間関係の構築において、何よりも重要です。
しかし、その前に、さらに重要なことは、コミュニケーションを取りやすい、雰囲気、場を作ることです。
そのためには、夫婦のお互いが、お互いを尊重する姿勢が大切です。
これは、夫婦がともに創る、家庭の雰囲気といえるでしょう。
では、お互いがお互いを尊重することとは何でしょうか?
それは、お互いがお互いを認め合っているということです。
お互いがお互いを認め合う、尊重し合う。
実はさほど難しいことではありません。
まずは、お互いがお互いを認め合っていない、尊重していない夫婦関係について考えてみましょう。
・挨拶がない
・目を合わさない
・話さない
・相手を軽んじた態度で接する
等が、考えられます。
とくに、夫婦は一緒いる時間が長く、一緒にいて当たり前の錯覚を抱きがちです。
しかし、夫婦とは、先にも書いたように他人同士なのです。
まずは、お互いの尊重のためにも、言語、態度による存在を認めること、特に挨拶は重要ではないでしょうか。
挨拶とは短い言葉のやりとりですが、そこには、お互いを尊重する、思いやる言葉が圧縮されているのです。
かつ、短い言葉ではありますが、暖かい夫婦関係、家庭、家族の場をつくる基盤でもあるのです。
夫婦とは生活において共に過ごす時間が長いです。
過ごす時間が長いと、日々の活動が当たり前になってしまいます。
人は当たり前の感覚を持ってしまうと、日々のパートナーの行動に感謝の気持ちを忘れがちです。
それはそうしてくれて当たり前だからです。
初心忘れるべからず。
まずは日々、お互いが感謝の気持ちを示すことが大切でしょう。
その、基本は挨拶ではないでしょうか。
2.人間関係の基本でもある挨拶の重要性について
では、お互いが存在を認め合う、尊重する挨拶として、どのような言葉があるでしょうか。
「おはよう」、「おやすみ」、「行ってきます」、「お帰りなさい」、「お疲れ様」の、日々の日常の挨拶は欠かすことは出来ません。
もし、皆さんが職場やご近所の集まり等において挨拶をしているにも関わらず、挨拶を返してもらえなかったら、どのような気持ちになりますか?
自分の存在を無視された、悲しい気持ちになるのではないでしょうか。
夫婦関係の挨拶も同じです。
日々の挨拶や、感謝の気持ちをパートナーに示さないと、パートナーは自分の存在を無視された悲しい気持ちを抱いてしまうと思うのです。
コミュニケーションを行う前提、大切なことは、お互いがお互いの存在を認め、尊重して、そのことを伝え合うことなのです。
これが、夫婦関係における良好な雰囲気をつくることにつながるのではないでしょうか。
そしてもう1つ。
挨拶、感謝は言語で伝えますが、非言語のコミュニケーションも忘れてはなりません。
笑顔、うなづき、目を見る、抱きしめる等です。
いくら「ありがとう」と感謝の言葉を発しても、その顔が暗く曇っていたら、感謝の言葉は伝わりません。
やはり「ありがとう」と笑顔で言葉を発して、はじめてパートナーの心に届くのではないでしょうか。
言語と非言語、両方のコミュニケーションを活用して「その気持ち」を伝えましょう。
B・夫婦のコミュニケーションの重要性
コミュニケーションとは何でしょうか?
人は何のためにコミュニケーションを行うのでしょうか?
目的は大きく分けて2つあります。
a)話し手のことを理解して、共感するため
b)話し手のことを理解して、問題解決を図るため
1.夫婦のコミュニケーション(求めるものの違いの認識)
さて、夫婦のコミュニケーションにおいては、共感と問題解決が噛み合わず、コミュニケーション不全になることが多々あります。
結論から書くと、女性はコミュニケーションにおいて分かって欲しい、共感して欲しいことを求めているのに対して、男性はじっくりと話しを聞かず、すぐに問題解決に向けてのアドバイスを行うのです。
妻はじっくりと話したいのに対して、夫は少し話しを聞いてアドバイス、さっさとコミュニケーションを打ち切りたい様子です。
夫からすると妻の問題解決を図ったという満足感があるかもしれませんが、妻からすると話しを聞いてもらえず否定された、無視された悲しみを抱いてしまいます。
なぜならそもそも妻は、話しを聞いて欲しいだけなのですから。
問題を提議しているわけでもなく、アドバイスを求めているわけでもないのです。
共感して欲しい妻、アドバイスをしたがる夫。
女性と男性の違いです。
この事実は様々な夫婦の問題事例に挙げられています。
ではこの男女の違い、どのようにして乗り越えたらいいのでしょうか?
妻が夫はすぐに問題解決を図り、アドバイスをするものであると理解して、このことを受け入れれば、夫婦間のコミュニケーションの問題は解決するでしょうか。
もちろん解決します。
しかしその代償は高いです。
なぜならこの場合、妻は夫に対して、共感してもらうことをあきらめることになるからです。
共感とは女性の求めている重要な価値ですから、それをあきらめるということは、夫という存在そのものを、あきらめることにつながるのです。
すなわち妻は夫とは、話しが聞けず、共感してくれないもの、受け入れてくれないものと、妻は夫をあきらめ、妻も夫を受け入れないことにつながるのです。
期待を手放し失望の状態になるのです。
失望した妻は夫に期待せず、逆に夫に対して否定的になるでしょう。
結局、夫は妻に対してよかれと思いアドバイスばかりするのでしょうが、いずれは数年後、夫婦間の温度差に気付き、びっくりする事態になるでしょう。
でも、もうその時は手遅れかもしれません。
妻は夫に失望して、期待や希望が、失望や絶望や憎しみに変わっているかもしれません。
2.アドバイスと共感の違いを認識しましょう
夫からすると、それでも長々と妻の話しを聞いて、共感する価値や大切さが分からないと言われるかもしれません。
夫が共感の大切さを理解出来なくても構いません。
ただし、後年、後悔することになるかもしれませんが。
夫・男性のなかには共感の大切さという価値観がなく、生きてこられた方も多々おられるでしょう。
それは、厳しい競争社会を生き抜いてきたからこそ。
また、時間の効率的な使い方を考慮した結果です。
但し、女性にとって共感とは重要である。
共感によって、妻は夫に受け入れてもらったという安心感を得るのです。
この事実を十分認識してください。
さらに、そもそも人の話しを十分に聞かず、すぐにアドバイスを行うことは、人をバカにした行為であり、その背景には自己優越性の充足を求めているのではないか、ということも振り返ってください。
さて、共感して欲しい妻と、アドバイスをしたがる夫。
1つの真実を書きましょう。
相手の期待を満たせば、自分の期待も満たしてもらえる。
妻の話しを聞いて欲しい、共感して欲しいという期待を満たすということ、それを受け取ることは、妻に満ち足りた感覚を与えていることであり、自分も妻に満たしてもらえるということなのです。
夫が妻の話しを聞く大切さ、お分かり頂けましたでしょうか。
夫婦の会話の時間を決めることもコミュニケーションに対して有効的
また、どれだけ話しを聞くことが大切と分かっても、日々の仕事でエネルギーを使い果たしてしまうと、家に帰って妻の話しをじっくり聞くことが、無理な状態であることもあります。
話しを聞くためには、相当なエネルギーが必要です。
ですから、いつ話しを聞くのか、話し合うのか、夫婦で話しをする時間を予め決めておくといいと思います。
コミュニケーションの質は、夫婦関係の質に影響します。
良いコミュニケーシュンを行っている夫婦は、仲の良い夫婦関係を築くことが出来るでしょう。
C・良好な夫婦関係・期待の明示と話し合うこと譲り合うことの大切さ
夫婦は日々生活をともにすることから、その関係性が他の人間関係の距離より近いという特質があります。
しかし、たとえ2人が日々生活を共にするから距離が近いといっても、これは物理的なことであり、必ずしも心理的なものであるとは言えません。
夫婦が心理的に距離が近いという状態は、やはり日々のコミュニケーション、パートナーを尊重した態度によって築かれていくと思います。
間違っても、物理的に距離が近いからと言って、自分は黙っていてもパートナーに理解してもらえるとは思わないことです。
1.夫婦がパートナーに何を期待しているか明らかにする大切さ
さて、夫婦においてお互いを理解するためには、日々の何気ない雑談をはじめ、さらには、自分がパートナーに何を期待しているか、何をして欲しくないと思っているか等、パートナーへの要望を明らかにしなければなりません。
これを行わず、いつかは気づいてもらえると思っていると、何十年待っても得るものはないでしょう。
したがってパートナーに何を期待しているか等は、お互いが常に話し合う必要があるのです。
ここで話し合うポイントは、まず相手の言い分を批判せずに黙って聞くことでしょう。
そのうえで折り合いをつけるのです。
まずは話し合うこと。
そのうえで、パートナーの期待や要望をいかに満たすか、また満たすことは無理なのか、折り合い、妥協点をどうするか、納得いくまで2人で話し合えばいいのです。
何よりも話し合うことが大切なのです。
出来ないことは出来ないでいいのです。
但し、話し合いを避け逃げてはいけません。
逃げ得はないと思ってください。
そしてお互いの期待等を明らかにするということは、お互いが何を思っているか知ることが出来、夫婦間の相互理解が深まります。
2.話し合いと譲り合いの心の大切さ
さて話し合いで大切なこと。
それは譲り合いの心(もちろん譲れないことは譲らなくても構いません)。
ある事柄についてお互いの期待がぶつかってしまった場合、自分の期待を引っ込めて、相手に譲ることです。
恋愛時代を思い出してください。
自分が何かしたいという思いがあっても、彼(彼女)を優先していたことはありませんか。
パートナーの期待を先に満たし、自分の期待を引っ込め、譲ることは円満な関係性のためには重要でしょう。
もちろん、自分の期待を満たしてもらった、相手が譲ってくれたと実感したパートナーは、そのことに感謝をして、次は自分がその役を引き受けるでしょう。
(しかし、双方のどちらかが常に期待を言い、どちらか譲っているばかりの関係性は不平等であり、見直す必要があります)。
このように、話し合い、譲り合い、折り合いをつけるということは、日常の生活においてストレスを軽減し、質の高い夫婦関係へと発展します。
そして最後に、助け合うことです。
理由は書くまでもないですよね。
さて、話し合う、譲り合う、折り合いをつける、そして助け合う。
難しいですか?
もしこれを難しいと感じるのであれば、理由は2つです。
a)話し合うのが邪魔くさい
お互いが期待を出し合って、それについて解決、折り合いをつける話し合いが邪魔くさいのです。
でも、話し合いとはコミュニケーションですから、コミュニケーションを避けて得られるものはないと思います。
また、職場や組織の上下関係でしたら話し合うまでもなく、命令口調ですますことが出来るかもしれませんが、夫婦は対等ですので、それは無理です。
b)譲り合う気持ちがない
自分を満たして欲しいという気持ちが強すぎ、自分が満たされない以上譲らない。
このように思っている人から、譲り合いを引き出すことは難しいでしょう。
譲り合えない人とは、自己優先的な、手厳しく書くと、自分勝手な人となってしまいます。
自分勝手な人間とは、他者を思えない、未成熟な人です。
未成熟な人が対等な夫婦関係を築けるとは思えません。
その他、夫婦において話し合いが出来ない理由は他にあるかもしれません。
でも、話し合わないと何も解決しません。
お互いが欲求不満を抱え、気持ちが離れていくだけなのです。
良好な夫婦関係のために(まとめ)
・お互いがお互いを認め合うこと 尊重すること
・コミュニケーションの大切さ(共感の重要性)
・パートナーに対する期待を明らかにすること
・話し合うこと
・譲り合うこと