人は言葉により縛られ言葉により解放される
言葉の呪縛は言葉によって解放される
私たちは言葉に縛られ、そして、言葉により解放されるものです。
言葉に縛られる。
具体的に、子供を事例として、1つの例をあげてみましょう。
子供が、友人に「バカ」等、言われたら、その子供はどのような反応をするでしょうか。
悲しい気持ちを抱き、泣き出すかもしれません。
また、逆に怒り出すかもしれません。
この例、友人の「バカ」という言葉に、子供の心が反応して、縛られしまったのです。
そして、この子は、心に傷を負い、「バカ」という言葉に、自分自身縛り続けられるかもしれません。
でも、この時、親が子供の異変、態度に気づき、話しを聞いてあげ、「お前は立派な子だよ」等、優しい言葉をかけてあげることにより、この子は「バカ」という言葉の縛りから、解放されるのです。
「自分は立派な子」なのだと、自身の尊厳を取り戻し、傷つけられた言葉から解放されるのです。
さて、上記の例は、子供の一過性の心の動き、一過性の感情の動きであったため、縛られた言葉から、すぐに解放されました。
では、次の例。
親が子供にずっと、「バカ、バカ、バカ」と言い続けます。
何年も何年も、言い続け、聞かせ続けると、やはり子供は親の「バカ」という言葉に縛られてしまうことが多々あります。
自分はバカだ。
何をやっても出来ない。
生きている価値もないのでは?
親の言葉に縛られ、支配されるのです。
そして、脳が自分はバカだと思い込む。
自己価値も下がり、自己否定も強まり、生き辛さを抱えると思います。
親の言い続けた言葉が、子供を縛り、生き辛さを植え付けたのです。
まさに、呪縛です。
「人は言葉により縛られ 言葉により解放される」
ずっと、親にバカと言い続けられてきた人に対して、「そんなことはありません。あなたは立派に仕事をしており、立派な社会人ですよ」と伝えたところで、この人は、この言葉により、自分に抱く「バカ」という言葉の縛りより、解放されるでしょうか。
すぐには無理です。
なぜなら、脳が自分をバカと思い込んでいるからです。
子供の脳は柔軟性が高く、一過性のものあれば、自分に対するネガティブな思い込みも、心ある人の言葉、存在により、解放されるのも早いでしょう。
でも、20歳を過ぎ、年齢が経つにつれ、自分に対するネガティブな思い込みは、他者の心ある言葉によっても、すぐには解放されない可能性が高いのです。
それは、脳に深く刻まれた思いだからです。
呪縛。
でも、いつかは解放されます。
それは、他者からの暖かい言葉と、自身がチャレンジ心を発揮しての成功体験を積むことや、その自分を他者が認め、自分が自分を認め続けることによって解放されます。
「人は言葉により縛られ 言葉により解放される」。
そして、解放されるためには、他者からの言葉だけでは足らず、自らの行動と結果が必要な時もあり。
また、出来た自分を否定しないことも必要なのです。
自ら、呪縛を浄化するのです。
そして、他者から受けた言葉の縛りを、他者と自分の合力により解放するのです。