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心理カウンセラーのアドバイスの正しさについて

心理カウンセラーのアドバイスは正解ではなく「妥当解」である

私たち心理カウンセラーは、ご相談者様から、様々な悩みを伺い、その、悩みの解決のために、アドバイス(助言、提案)を行います。

(アドバイスは一切行わないカウンセラーが存在していることも知っています。その理由は、答えはクライエントがすでに持っている。それを傾聴により引き出すという考えです。間違った見解ではないと思いますが・・・)。

さて、心理カウンセラーの、悩み解決に向けたアドバイス、それは正解、正しいのでしょうか。
その問題解決に向けて正しい答えを述べているのでしょうか。

私は人が悩む際、気質、成育歴、今の置かれている状況、その人個人の思考、感性の問題、様々なことが入り組み、問題をつくっていると考えています。

したがって、カウンセリングにおいては、初回の半分ほどの時間は、ご相談者様々のことを知る為に時間を使い、問題の原因(核)となるものを洗い出します。

そして、カウンセリングの時間の後半以降は、悩まれている問題の原因を明らかにして、解決策等を話し合うことになります。
(これは、私が実施する心理カウンセリングにおいてですが)。

しかし、ここでもう一度。
心理カウンセラーが導き出した問題原因と、解決策は正しいのでしょうか?

もし、それを、正しい(正解)とするのであれば、何を持って、正しい(正解)と証明するのでしょうか?

心の悩みとは、脳内において発生します。
しかし、未だ脳科学は、心の発生等については、明確な答えを出しておらず、科学において、カウンセラーのアドバイスを正解(正しい)と証明することは出来ません。

では、問題解決に向けたカウンセラーのアドバイスは、何を持って、正しいとするのでしょうか?
私は、心理カウンセラーのアドバイスに正解はないと思っています。

正解ではなく、「妥当解」なのです。

「妥当解」とは論理的に帰結されたものであり、多くの方が、その説を聞いて、納得する。
このようなものです。

(正解とは証明は出来ないが、特段反論する余地もない、納得度の高い論理。これが妥当解です)。

しかし、この「妥当解」を導き出すのは難しく、カウンセラーの経験によっても、様々な妥当解を出してくるでしょう。

しかし、「妥当解」もアドバイスである以上は、仮に、問題解決への「妥当解」を聞いた方のうち、80%以上、納得するものでなくてはならないのではないかと考えます。
(80%の数字は、私の勝手な推論です)。

したがって、ほぼほぼの人が納得しない、カウンセラーの妥当解は、意味のなさないものになってしまうかもしれません。
(論理的に弱く、独断的過ぎるのでしょう)。

そして、「妥当解」が、正しい見解として成立するためには、カウンセラーの論理力と言語力(説明能力)は、必須です。

カウンセリングにおいて原因分析、問題解決への正解は、今のところ証明出来ません。
したがって、アドバイスの根拠は論理的見解(妥当な推論)に委ねるしかないのです。

また、稀に、カウンセラーが導き出した妥当解を、ご相談者様が、その妥当解を受け取ることを拒否される場合もあります。
おそらく、この場合は科学的根拠が示されたとしても、同様のことが起こるかもしれません。

その理由は、ご相談者様が、原因分析には納得されたとしても、問題解決への行動提案等に難局を示される場合にあります。

端的に書けば、「自分には、その方法論にて問題解決に臨むことへ不安を感じる、または、出来ない」と強く思われている場合です。

このような場合、カウンセラーは、問題解決への提案した「妥当解」を脇に置き、他の問題解決の方法を模索して提案する必要が生じるのです。

しかし、心理カウンセラーも1人の人間。
限界があります。

また、他の問題解決を考えアドバイスを提示出来るかどうか、それは、問題の質、カウンセラーの経験等によって、分かれるところです。

さて、カウンセリング、心理カウンセラーが導き出す答えには、正解がありません。

(正しく書けば、正解と裏付け付ける根拠、証明法がないのです。もしくは弱い。多くは納得度の高い推論となってしまうのです。その理由は科学的に証明することが出来ないからです)。

カウンセラーのアドバイスに唯一絶対はないのです。

したがって、ご相談者様が、もし、そのカウンセラーの導き出した出した、アドバイス、「妥当解」を受け取れないと思われるのでしたら、他のカウンセラーに相談してみるということが、納得出来るアドバイス、「妥当解」を得る、一番の近道かもしれません。

カウンセリングとは、ご相談者様の思考と感性のぶつかり合い。

相性の合う、カウンセラーを探すのも、問題解決への、近道でしょう。

その根拠は、問題分析、問題解決への提案は正解(正しさ)ではなく、妥当解であるからです。

相性が合うとカウンセラーと、相性の合わないカウンセラーが発した、妥当解と同質の知見でも、相性の合うカウンセラーであれば、そのアドバイスに取り組んでみようと思われる時もあるものです。

不思議なものですが、「妥当解」の有効性は、カウンセラーとご相談者様の相性も、大きく影響しているように感じる時もあります。

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