怒ってはいないが攻撃的な口調の人の心理
人とのコミュニケーションにおいて、最初から攻撃的な口調で話される方はあまりおられないと思います。
さて、自分は丁寧に話しかけているつもりなのですが、その返答において攻撃的な口調で対応されてしまうと、自分がびっくりして無口になったり、逆にムカッとして自分も攻撃的な口調になってしまったり、さらには、不快感からコミュニケーションじたいを打ち切ってしまう場合はあるでしょう。
では、話しかけられて、攻撃的な口調で返答対応する人の心理とはどのようなものでしょうか。
当然ですが、攻撃的な口調で話される場合、心理的背景として怒りを抱えておられることが多々あると考えます。
本ページにおいては、怒りを意識していない、または、怒りに対して無自覚な場合について書き進めます。
攻撃的な口調・怒りに無自覚な場合
1.自分が嫌いな人は他者も嫌い
自分が嫌いな人というのは、その嫌いな自分に対して、隠れた攻撃心を抱いていることが多いと考えます。
そして、その自分が嫌いな人が、人から何か話しかけられると、自分が自分に抱いている攻撃心が他者に向くことがあります。
自分が嫌いな人の根幹的な問題として、自分が嫌いな人は他者も嫌う傾向があり、その他者を嫌う心理が、他者に対する攻撃心と現れることもあるのです。
これは、他者とは必要以上に関わりたくないという心理です。
したがって、あまり話しかけられたくないのでしょう。
話しかけられることは干渉であり、自己防御の一線(自分と他者の境界線)を越えたと、無自覚ではありますが、警戒と不安と怒りを感じておられるのかもしれません。
誰でもご経験があると思いますが、自分が嫌悪を抱いている相手から話しかけられると、一瞬、ムカッとして、愛想のない態度、攻撃的な態度で臨まれたことはないでしょうか?
これも、その相手とは関わりたくないという心理でしょう。
自分が嫌いな人は、その数(関わりたくない人)が多いのですが・・・。
実は、自分が嫌い、自己嫌悪感の強い方の、他者が嫌いという傾向は、人間全般が嫌い、人間全般と関わりたないというように感じられます。
2.イライラしている感情が抑えられない
何らかの原因でイライラして、過敏になっている時。
話しかけてくる相手の、ちょっとしたしぐさや、話し方が気に入らず、無意識的ではありますが、攻撃的な口調で、余計な一言を言ってしまうこともあるでしょう。
イライラしている原因は、朝からの親子喧嘩かもしれません。日々の疲れがたまり、疲れすぎより神経が高ぶっているのかもしれません。天候の変化かもしれません。また、特段理由はないけれど、何かイライラしていることも、日によってはあるでしょう。
イライラして神経が高ぶっている時は、深呼吸が有効でしょう。
それから、嫌なことは繰り返し思い出さないことです。
自分で気が付かないうちに、怒りが再燃してイライラします。
イライラしてくると、普段は丁寧な対応を心がけている人でも、攻撃的な口調になってしまうこともあります。
3.自分か偉いと思っている・丁寧語を使うつもりはない
自分を偉いと思い感じ、人を見下す人は、他者尊重の心を持たず、丁寧語も使いません。
そして、自分が偉いと思っている人は、人が自分の言うことを聞くことが当たり前と思い込み、人に対する口調も命令的、攻撃的でしょう。
同様に、買い物において、偉い客は店員に上から物を言っても良い、この勘違いの思いこみも、注意が必要です。
お互い人間です。
何を根拠に自分は偉いと思い感じているのか、じっくり考えてみましょう。
根拠はないはずです。
4.他者に対して丁寧な応答することを知らない(未学習)
悪気や敵意はないのですが、他者に対して丁寧な応答が出来ず、攻撃的な口調になってしまう方がおられます。
これには、成育歴において、丁寧な口調、礼儀を学んでこなかった背景があります。
相手のことは尊重しているが、それを、口語でどのように表現して良いのか知らず、丁寧な応答、態度が出来ないのです。
心理学ではアサーション(自分の気持ち、相手の気持ちを配慮した伝え方等)の本もあります。
相手を尊重した心があるのであれば、それを伝えるスキルを磨けば、攻撃的な口調で話すこともなく、心に沿った、丁寧な口調で話すことが出来るようになるでしょう。
以上、攻撃的な口調で話す心理について、怒りを意識してはいないが、攻撃的な口調になってしまう例を考えてみました。