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自立と自律との関係

生きるにおいて自立と自律どちらが大切か

Index
1.自立とは
2.自律とは
3.「自立」と「自律」の関係について

1.自立とは

他からの経済的支配を受けず、自分の力で物事をやってゆくこと。独立。
(三省堂 新明解 国語辞典)

私は、この定義(状態)が妥当かどうか、疑問を感じています。

理由は、経済的支配を受けないということは、収入を得る力があると考えるからです。

収入を得るためには、一般的には就労、仕事に就くことが必要と考えますが、今の日本の経済事情等を考慮しますと、人によっては、働く意欲、能力があるにも関わらず、仕事に就けないことも多々あり、自立をお金、経済に関係させて定義することに疑問を感じるのです。

では、私が思う自立とは何か。

・自分の意思で物事決定する能力
・自分の意思で決定したことを遂行する能力
・自己主張する能力
・他者に振り回されず、自分で決めた道を進む力

自立とは、「自分を持つ」という意味であり、心理的独立を意味すると考えています。

その為には、自己決定力、遂行責任、他者に振り回されない(支配されない)ことが、最重要ではないでしょうか。

2.自律とは

国語辞典によりますと
自分で決めた規則に従いわがままを抑えること

自律の「律する」を、goo辞典で調べますと

A・一定の規範を設け統制・管理する
B・ある基準にあてはめて、判断処理する
と定義されていました。

またネット検索によりますと、以下の文章が出てきました。(出典が分かりませんでした)。

「自分を律する」という言葉の「律する」には、一定のルールに当てはめてものごとを判断、処理するという意味があります。「自分を律する」とは、自分の中の基準や、世の中の基準に当てはめて、自分の意思で自分の欲望、願望、衝動などを制御することです。

3.「自立」と「自律」の関係について

さて、「自立」とは、自分を持つと、感覚的に言葉を変えることが出来ると思います。

自分を持つとは、「自分軸」で立ち、社会を生きていく、このようなイメージです。

具体的には先述した。自分の意思で物事決定する。自分の意思で決定したことを、責任をもって遂行する。自己主張する。他者に振り回されず、自分で決めた道を進む等があげられます。

さて、自立とは基本的に自分に焦点を当てた意味のように感じます。

しかし、常に「自分」、「自分」と、自分を前面に出し過ぎますと、必ず、他者と軋轢が生じます。

したがって、あまりにも強い、自立心は社会生活上、弊害となるのです。

さて、自立に対して、自律は、自分の意思で自分の欲望、願望、衝動などを制御する力です。

自律は、強い自立心から生じる衝動、行動を制御して、人間関係、社会生活をスムーズなものにするのではないでしょうか。

例えば、自立で大切な自己主張。

あまりにも、自己主張が過ぎますと、他者との意見交換もなく、他者理解も築けず、人間関係、社会生活に問題が生じます。

この時、適切に自律が働ければ、自己主張を強くしたい衝動、欲望も制御がかかり、適度な自己主張を行うことにつながり、人間関係、社会生活を円滑にするのではないでしょうか。

人生を円滑に歩むには、自立と、自を律する力、共に必要なのです。

自立がアクセルなら、自律はブレーキのようなものなのです。

さて、「自立」とは、人生の早期に形成され、「自分」を主として、自己の人生を歩みながら培われていくのではないかと考えます。

自立。
自分の足で立ち。
思うがままに振る舞う。

「自立」が人生の早期(自分の足で立った頃)より形成されはじめるのに対して、「自律」は、自立より少し遅れて、親の教育、社会生活の様々な経験、集団活動より、身に付いていくものではないでしょうか。

その根拠として、「自立」が、自分の思うがままに振る舞うと、捉えることが出来るからです。

しかし、自分の思うがままに振る舞うということは、他者配慮もなく、社会規範もなく、たんなる自分勝手です。

そこで、自分のわがままを抑える、自律が必要となるのです。

「自律」とは、自立の暴挙、行き過ぎを抑える、力であるのです。

自立が主体性であれば、自律は社会性とも、考えられます。

自立、自律。

共に、生きるために必要な力なのです。

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