アダルトチルドレンと依存について
成長したアダルトチルドレンは、自分を何かに依存させる傾向があります。
但し、依存の問題は生じる人もあれば、生じない人もおられます。
依存の問題が生じる方の特徴として子供時孤独で淋しく、親に愛された感覚が少ないことが挙げられます。
そして成長して大人になっても、心は子供のまま、孤独、淋しく、強い自己否定の傾向もあり、そこから来る虚しさを何かで満たしたい、または麻痺させたいという衝動が強くあるのです。
では依存傾向のあるアダルトチルドレンは一体何で自分を満たすのでしょうか?
アダルトチルドレンが存在を依存させる対象と方法
1.恋愛依存について
自分の抱える虚しさを異性を通して満たそうとします。
自分の中に自分の居場所がなく、異性の相手に自分の居場所を見つけ、そこに心の安定を求めます。
そして、この傾向が強すぎると恋愛依存となり、依存する側、依存される側双方に辛さをもたらします。
人に依存することは、それは対象となる相手を縛ることにつながります。
自分から逃げられないようにしてしまうのです。
これは言葉を換えると、見捨てられないようにしているのです。
恋愛依存の方は見捨てられることに過剰な恐怖を持っています。
それは子供時親に見捨てられた感情・感覚があり、その気持ちをもうこれ以上味わいたくないのです。
見捨てられることによって、また以前の孤独で淋しい感覚を味わいたくないのです。
では、どのようにして対象となる相手に依存するのでしょうか?
a)支配(過剰な要求)
相手に対して過剰な要求を突き付けます、メールの返信は数分以内、どこで何をしているかすべて教えて欲しい等、自分の心の安心を図るために相手に様々な要求を行い、要求を満たしてもらうことを求めます。
これは常に相手とつながっていることを実感していたいのです。
b)尽くす
相手に尽くすこと、相手の世話をすることで見捨てられないようにすることもあります。
「私がこれだけしているのだから・・・」ということに対する見返りが、見捨てられないということなのです。
c)罪悪感の植え付け
見捨てられると生きていけない等、自己の無力化に訴えかけ相手に罪悪感を植え付けることもあります。
d)暴力・暴言
精神的・心理的に相手に恐怖心を与え、自分から離れられないようにします。
このように様々な方法で相手を支配しますが、やはりその問題の根源は自分にあり、恋愛依存からの回復には自分を見つめなおすという作業は必要であると思います。
2.その他の依存について
a)アルコール依存
自己の抱いてる虚しさ、淋しさ等の感覚をアルコールを摂取することで紛らわそうとします。
しかし、アルコールで感覚が麻痺して気持ちが紛れたとしても、それは一時的なものです。
アルコールは飲めば飲むほど耐性が強くなります。
過剰な摂取は命に影響します。
また摂取による依存を考えますと、薬物、食べ物(過食)も考えられます。
b)何かに熱中する
ギャンブル、スポーツ、ゲーム等、何かに熱中することにより虚しさの感覚を麻痺させます。
c)物質を持つ
買い物依存がその典型です。
物質を持つことにより自分を満たします。
しかし物質を持つためにはお金が必要です。
物質に依存するあまり借金の問題に発展することもあります、
d)地位にこだわる
自分の社会的地位(学歴含む)に自己の価値を求めます。
しかし地位とは自分以外の何かから与えられることが多く、地位は何らかの事情により失うこともあります。
また、男性の場合は一時の快楽主義に走り、風俗等にはまってしまうかもしれません。
アルコール、何かに熱中することはそれが適度であれば楽しめますが、過剰に向かうと様々な問題が出てきます。
また、買い物(物質を持つ)、地位につきましては、それらを得るための向上心と考えますと、それが適度であれば問題はありません。
しかし、自分のすべてをそこに委ねてしまうと、アダルトチルドレン・自己喪失からの回復にはつながらないのです。